2014.06.13
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学級において問題行動を起こす子どもへの対応

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

最近、問題行動を起こしてしまう子どもへの教師の対応について考えています。


今までの自分自身の経験や本、インターネットなどにあるデータなどをもとに考えをまとめています。
対応としては、問題行動として出てくる部分(表面)と、そういう行動をしてしまう原因の部分(内面)の両方にバランス良く取り組むことが必要なのかと思います。


日々、教室で子どもと接していると、そこで起こった問題につい目がいってしまいます。
「ぶった」場合には、ぶたれた相手がいるので、素早い、適切な対応が必要になります。
それを怠ると、別の問題が発生することになります。
学級担任は、このように目の前で起こる問題への対応で手一杯になってしまいます。
もぐら叩きのように、表に出てくる部分への対応をしていても、それの繰り返しになってしまうことが多いです。
大事なのは、子どもが起こした行動(表面)への対応と、そういう行動のもとである部分(内面)への対応になってきます。

表面に出てくる部分と出てこない内面の部分の両方への対応が必要になってきます。

まずは、表面の部分への対応の具体例を紹介します。
これは、教師が問題行動を起こす子どもに積極的に関わり、問題行動を減らしていくというものです。
朝、教室でトラブルを起こすことが多い子どもへの対応としては、単純ですが、子どもが教室に登校する時には、教師が教室にいるようにするのです。
教師がそばにいるだけで、未然にトラブルを防ぐことのできる場合がよくあります。
休み時間にトラブルを起こすようなケースも同様です。
理由を付けて、一緒にいるような状態にするのです。
これらの方法は、容易に取り組むことのできるものなのですが、効果は意外と大きいものです。

様々な形で教師が関わりながら、少しずつトラブルを減らしていきます。

褒めることのできる部分を見つけ、何度も褒めていきます。

そうやっていくことを続け、子どもの行動の変容を促していきます。

 

そういった表面への対応と共に、そういう行動のもとである部分(内面)への対応も大事になってきます。

「なぜ、その子どもはそういった行動をとってしまうのか?」という部分についてじっくりと考え、対応していくのです。

まず、問題行動が起こる背景(要因)について分析をしていきます。

 

子どものトラブルが起こる背景

・本人に問題がある

・家族、家庭に問題がある

・集団、学級に問題がある

・教師に問題がある など

 

「本人」の問題としては、軽度発達障害である、九九が分かっていないので算数の授業が理解できないなどです。

「家族、家庭」の問題としては、朝ごはんを食べてこないのでよくイライラしている、親が非常に忙しく子どもとほとんど関わっていないなどです。

「集団、学級」の問題としては、集団のルールが徹底していない、教室が乱雑で危険なものが置いてあるなどです。

「教師」の問題としては、集団、学級の問題にも関連しているのですが、指示を分かり易く出すことができていないなどです。

 

こういったことを少し客観的な見方で分析を行い、対策を練っていきます。

PDCAサイクルのように、実際に取り組み、それをまた分析し、次の対応を考えていきます。

 

このように子どもの問題行動に対して、外からと内からの両方からのアプローチを継続的に行います。

途中、心が折れそうになることなどもあるかもしれません。

そういう時は少し距離を置いて問題を見ることで楽になることがあります。

クラスにおいて影響力の大きい子どもへしっかりと関わり、より良くしていくことで、クラス全体の状況もより良くなっていきます。

難しいこと、苦しいことも多いと思います。

しかし、教師が積極的に取り組むことで、状況は必ずより良くなっていきます。

 

1学期もあと少しで終わりです。

がんばっていきましょう。

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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