子供が宿題で悩むのは世の定番ですが、特別支援学級の担任も宿題作りで悩んでいます。
宿題作り、というのも、通常の学級のように市販の漢字ドリルや計算ドリルで対応できないケースが多いからです。
そうしたら自分で作るしかない。
特別支援学級の保護者も、宿題には関心が高いです。
「子供にもっと宿題を出してください。」という要望。
でも、子供の手に負えないような宿題を出すと、それはそれで保護者からクレームが来る(笑)。
子供ができる内容のものを。
それなりの分量で。
しかも学力が定着するようなものを。
特別支援学級の担任はそのような条件の宿題を日々作っていくわけです。
膨大な校務の傍らで(笑)。
でも、特別支援学級の担任たちは、怠けているわけではなくて、子供の教材作りこそ楽しい!と、生きがいを見出している先生が多いのも事実です。
私の経験では、90%以上の先生はプリントでの宿題を出しているのではないでしょうか?
私が自作で作る宿題は、ドリルのようなタイプのものが多いです。
ドリルは1回作れば、繰り返し使えるので(書き込み式ではなく、ノートに書くようにする)、実は手間も省けているのです。膨大な校務の傍らですから(笑)。
書き取りや漢字の練習といった、基礎的なものを毎日繰り返し行うように伝えています。
おススメは、書き取りの宿題です。
どうしても、学校教育というものは「書くこと」が多くなります。
だから「書けない」子は、学校の勉強で苦労します。「話せない子」よりも「聞けない子」よりも。
だから書く力を、毎日の家庭学習で底上げしておくとよいのです。
学校での学習が楽しくなってきます。
ということを、保護者にも説明したうえで、宿題で取り組んでもらうといいでしょう。
宿題の本質は、家庭学習への援助。
子供が家庭でどのように勉強したらよいか。
また、親が子どもの勉強をどのようにしてみたらよいか。
そういうアドバイスを含めた支援が、特別支援学級担任の専門性の一つかなと思います。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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