手を取り合って
運動会練習がはじまっています。
本校は、人数も少ないため、5年生6年生合同で組体操をします。
6年生は昨年も経験しているので、要領を得ています。
まあとにかく、自分たちが上の学年ということもあって、張り切っています。
そこで微笑ましいのが、6年生が5年生へ優しく教える姿。
男女関係なく、手を取り合いながら教える姿。
なかなかいいものを見せてくれます。
異年齢での活動を通してそういった望ましい関係が築けることは、とても嬉しいことです。
これからもこのような場面を意図的に設定できるようにしていきたいと思いました。
「やさしさ」がありますか?
運動会の練習もはじまり、何だかバタバタとしてしまいます。
そんなバタバタとしている時こそ、いつもチェックしておかなければいけないことがあります。
学級に、
「優しさ」があるかどうか。
色んなことや、色んな場面でチェックできます。
しかし、
休んでいる子を一番に大切にできているかどうか。
まずは、これが第一だと思います。
「人に優しくしなさい!」と何千回言うより、人を大切にするという行動を常に意識させる方がよっぽど効果があります。
休んでいる子に対して
まず休んでいる子がいるかどうかに気づいているということ。
冷め切った教室ではだれが休んでいるかなんて気にもしません。
気づく、ということは優しさの一歩目だと思います。
次に、どうして休んでいるのか気にかけること。
「先生、○○さんが休んでるんですが、どうしたのですか?」
周りに気を配り、心をその方へ向けること。
そして、休んでいるその子にどんなことができるか考えること。
ある子のノートを見たときに、
「委員会の部長と副部長を決めたよ~!○○ちゃんの所はまだ決まってないから心配しないでね~!」
「今日は、陸上の説明会をしたよ!来週の月曜日からスタート!ガンバローね!」
と書いてあり、最初見た時は、
「?第三者的自分日記?」と思っていました。
が、よくよく見てみると、そのノートは、その子が休んでいる時に、友だちがノートを作ってくれていたものでした。
私が指示した訳でもないのに、さりげなく、友だちのためにそのような行動ができることに強い感動を覚えました。
「これ、絶対に感謝のお返しせななぁ~。」
とその子に言うと、
笑顔で
「うん!」
と頷いていました。
お休みカード
私自身、休んでいる子を大切にしたいと思っています。
必ず電話をしたり、簡単ですがメッセージを書いたりもします。
保護者とのコミュニケーションにもなりますし、子どもたちはそれが嬉しいようです。
そして、何より子どもたちが喜ぶのは、仲間達からのメッセージがぎっしり詰まった「お休みカード」。カードの上半分が本日の出来事や連絡事項。下半分が仲間からのメッセージになっていますが、表に書ききれず、裏に渡ってあたたかいメッセージを書いています。
ある保護者の方から、「休みの連絡が届くと、真っ先にみんなからのメッセージを読んでいます。しんどいくせに、にこにこして読んでいます。もう少し休もうかな~、なんて言うんですよ(笑)」というご連絡もいただきました。
かわいいものです。
まあもちろん、毎日休む子がいないことが最高なのですが(*^-^*)
不覚にも、私も高熱で学校を休んでしまったことがありました。
その時もあったかいメッセージをくれました。
「首にネギ巻いて寝ろ。」
には笑いましたが(笑)
しかし、言葉は人の心を温かくしてくれます。
ぬくもりを感じて
しんどいときに優しい言葉をもらうとどれだけ嬉しいか、我々大人もよく知っています。
しんどいときに優しくされた子は、そのぬくもりを必ず覚えています。
なので、立場が逆になったときに、そのぬくもりを返そうとします。
そういったぬくもりが教室中に広がり、あったかい空気をつくるのだと思います。
その空気の中で、仲間のありがたさを感じ、仲間の優しさを感じ、絆も深まっていくのだと思います。
休んでいる子を大切にする、ということは、人を大切にするということです。
休んでいる子をないがしろにする学級は、絶対に優しくなりません。
忙しいからといって、本当に大切にしなければいけないことを忘れないでいたいです。
「優しさ」をみつめる視点をずっともっておきたいと思います。
宗実 直樹(むねざね なおき)
兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭
特別活動を学級づくりの中心に、「字をかき、汗をかき、恥をかき、頭をかき」ながら、子どもたちと共に伸びていく姿勢を大切にしています。日々是好日。地道に一歩ずつ精進していきたいです。
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