2014.05.05
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

小学校高学年の学級経営における3つの柱

広島県公立小学校 教諭 中村 祐哉

小学校高学年の学級経営論

 私は,前回のマイプロフィールでも書かせていただいたように大学を卒業して教員になってから昨年度まで,ずっと小学校高学年を担任をして参りました。これから数回に亘って,高学年の学級経営について私が取り組んできたことをつれづれと書き綴って参りたいと思います。

 ここで書かせていただくことは私個人が高学年の実態しか知らないためにとても未熟な内容になっている部分や,いやいやそれはね…と突っ込みたくなる箇所などもあるかも知れませんが,まだまだ若輩者の私です。どうかあたたかい目で読んでいただけますと幸いです。

 

『プライド』『ヴィジョン』『ブランド力』を柱とした学級経営

 私は,『プライド』『ヴィジョン』『ブランド力』という3つの柱を軸として高学年の学級経営を行います。1年通じての私(教師側)のテーマは,中学校に向けて『心の強い子を育てる』です。もちろんはじめて担任をした頃からこの3つの柱を打ち立てて学級づくりをしていたわけではなく,ここ3・4年で自分のなかで形になってきたものです。

 この3つの柱ですが,1学期=『プライド』・2学期=『ヴィジョン』・3学期=『ブランド力』(前・後期制の場合も,3学期制相当の時期に合わせて子どもたちに提示)という形で時期を割り振って子どもたちに提示していきます。それぞれの学期や時期に『先生からクラスのみんなに取り組んで欲しいテーマ』としてこちらから発信するものです。

 では,3本のそれぞれの柱にはどんな意図があり,子どもたちにはどのように指導し,その結果どんな効果があったのかという点を中心に,各ファクターごとにまとめていきたいと思います。

 

1学期(前期・前半時期)『プライド』

 まずは1学期の『プライド』…これは,学級開きで大切な初めの3日間の3日目に話すようにしています。ここでこの『プライド』という言葉を子どもたちに提示する理由は3つあります。

 1つ目は,自分は新しい学年に進級し,5年○組になったんだ!6年○組になったんだ!という中で『新しいクラスへの所属』を意識させることにあります。クラスの所属を意識させるということは,クラスの団結へとすばやくつながっていきます。

 私は『プライド』という言葉の意味を著名人のエピソードと交え紹介した後,「6年○組としてのプライドをもとう!6年○組と書いてあるみんなの名札を,付けていることが自慢したくなるようなクラスにしよう!」といった話を熱く熱く全力で語ります。そして,「自分の名札が自慢したくなるようなクラスにするためには,どんな学級目標が必要ですか?」とつなげていくわけです。このことで子どもたちは,学級目標をつくる意義についても考えることができます。

 しかし,ここで気をつけなければいけない点は,同学年の学級が複数ある場合,他クラスに対して排他的な意識をもたせないことです。自分たちだけがすごい!という優越感をもった受け止めや,他クラスの取り組みに対して批判的な意識をもつことは学年全体の団結にはつながりません。ここは,担任の学級指導の力量が試される点です。

 2つ目は,学習規律に関する指導や生活指導等の面に関して,この『プライド』という言葉で指導しきることができる点です。4月に学級のルール等をあいまいに設定してしまうことは非常に危険だと考えます。4月は,学習規律に関する指導や生活指導・学級のルールに対する指導は徹底していく必要があります。生徒指導等を入れなけばならない案件が生じた場合,子どもたちへのまとめの話として最後に必ず「○組プライドって意識していたかな?○組の名札をつけているほかのクラスのメンバーはどんな気持ちかな?」という言葉をかけます。ここで子どもたちの実態に沿って,その意味の大切さを共に考えながら親身になって一件一件指導していくことで,ひとつひとつの案件がやがて『プライド』を自覚させ,学級全体の成長へとつながっていくのです。

 そして,3つ目は,高学年もしくは最高学年ということで学校全体のリーダーとしての『プライド』をもたせることにあります。5年生は高学年として,6年生は最高学年として学校をリードしていく…1年生から4年生の子どもたちからすると何でもできる5年生・6年生はいわば『憧れの存在』です。「さすが5年生!さすが6年生!」という姿を他の学年に見せることは,学校全体の成長につながっていきます。「さすが」という言葉を使うということは,その子たちにとって期待通りの活躍ということですね。「あの一流5・6年生に早く近づきたい!」と低学年・中学年が思える行動には…高学年・最高学年として,その期待に添えるだけの「だって私たちは6年生だもん!このくらいばっちりできて当たり前だよ」という『プライド』が必要になってくるわけです。

 このようにして,1学期間は『○組プライド』『○年生プライド』を常に子どもたちに意識させながら学校生活を多面的にサポートしていきます。これを徹底していくことで2学期の『ヴィジョン』,3学期の『ブランド力』へとつながっていくのです。

 

 さて,長くなってしまいました。長文最後までご拝読くださり大変嬉しく思います。「子どもの日」に「クラスの子どもたち」のことを思いながらこのページを開いていただいて,本当にありがとうございます。

 次回(5月21日水曜日予定)は,2学期『ヴィジョン』3学期『ブランド力』をまとめてお送りしたいと思います。

中村 祐哉(なかむら ゆうや)

広島県公立小学校 教諭


「社会科教育」「国際教育」「ESD」をメインテーマに,日々授業実践と研究に取り組んでおります。拙い教育実践ではありますが,共に学ばせていただければ幸いです。

同じテーマの執筆者
  • 前川 修一

    明光学園中・高等学校 進路指導部長

  • 村上 稔

    陸中海岸青少年の家 社会教育主事

  • 泊 和寿

    石川県金沢市立三谷小学校 教諭

  • 高岡 昌司

    岡山県教育委員会津山教育事務所教職員課 主任

  • 高橋 英路

    前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
    山形県立米沢東高等学校 教諭

  • 赤堀 達也

    旭川大学短期大学部 准教授

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop