2014.04.15
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小さな島より

兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭 宗実 直樹

 

 みなさんこんにちは。瀬戸内海に浮かぶ小さな島の学校で教員をしています宗実 直樹(むねざね なおき)と申します。この度は、「学びの場.com」より、貴重な発信の機会をいただき、有り難く思っています。

私は、自分がしたこと、その事実しか書けません。

とりとめも無く、少々ダラダラと書くかもしれませんが、お許しください。

学級づくりや授業づくり、特別活動などの話を中心に、のらりくらりと書かせていただければと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします!
 

 

 

愛する坊勢島

 

 さて、私が勤務している坊勢島ですが、人口3000人弱、島の外周約5kmの小さな島です。

漁業が中心のとても活気のある島です。

姫路港から船で30分。船の中でよく読書をしていますが、波に揺れる心地よさに、気持ちよく夢の世界へと行くことしばしばです…。

また、校舎の4階から眼下に見渡す光景が最高なのです。

ちょうど1年前の4月にはじめて本校に赴任し、4階5年生教室の窓を開けた時は、「うわぁ~~~~。」と声をもらしてしまいました。それぐらい美しい景色です。

魚は文句なしにおいしいです。休みの日にはたくさんの釣り人がやってきます。

家が所狭しと並んで、せま~い道をたくさんの原付が走っています。

昼になると、漁から戻ってくる漁船が地平線の彼方から見え、港へと次々に帰ってきます。

圧巻の光景です。

そして、どことなく「昭和のにおい」のするこの島が好きでなりません。

 

 そんな島の子たちは…とにかく無邪気で純粋、いい意味での野生の力を秘めた子どもたちです。

人なつっこいと言いますか、おぼこいと言いますか…。

かなり教師との距離感も近いものがあります。

子どもたち同士では、下学年の子は、上級生のことを「○○にいちゃん」「○○ねえちゃん」と呼びます。

一昔前の田舎の学校。学校中がFamily、いえ、島中がFamilyという感じです。 

そんな素敵な場所で仕事ができる私は幸せ者です。

 

 

 

 4月15日火曜日、さて、学級開きから1週間がたち、我々教師も、子どもたちも少々慣れてきた頃だと思います。子どもと出会い、顔と名前はもう覚えましたが、保護者との出会いはまだありません。

 

 

 

保護者との出会いは「お手紙」で

 学級通信だけでは、一方通行となってしまいます。

なので、私は3日目に必ず以下のようなプリントを通信につけています。 

♦6年1組 保護者の皆様へ♦

新学年が始まってはや3日がたちましたがお子様のご家庭での様子はどうでしょうか?

まだ始まったばかりですが、これから子どもたち一人ひとりが自分の力を発揮し、充実した学校生活を過ごせるよう、努力していきたいと思っています。

 ご意見、ご要望、お子様のこと、学級のこと、伝えておかなければいけないことなど、何かありましたら本当に何でも構いませんので自由に書いて下さい。生の声をお聞かせ下さい。よろしくお願いいたします!

                        6年1組担任 宗実直樹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 保護者の方もきっと担任に伝えたいことはあると思います。

しかし、その場がなかなかありません。

自由記述ですが、ほとんどの保護者の方が書いて提出してくれます。

子どもが3日間で話した内容、また、かなりディープな話も。

本当に、「生の声」が。

中には小さな字でびっしりと書いてこられる保護者もいます。

 

 

内容は、本当に様々です。

「うちの子は、こうみえてもとっても臆病なんです。もう5年生にもなるのに、暗い中、トイレに行けないみたいです(笑)。人(子)って見かけによらないんですね(笑)」

などという、その子の様子が思い浮かぶような微笑ましいもの。

「同級生よりも上級生ともめることが多いです。可愛がってくれる上級生もいますが、生意気な部分があるので、それが気に入らない子も多いようで、少しそれが気がかりです。」

といった不安や本音が書かれたものもあります。

返事がすぐに必要なものがあれば返します。

他は、それを資料として家庭訪問の時に話を広げたりしています。

 

「少々やんちゃで、けんかも多いですが、本当はとってもやさしい子なんです。」

と書かれていれば、学校生活の中でそういう場面を見つけ、保護者の方にも具体的事実を伝えます。

「○○君が、~の時に、~をしてくれていました。本当に優しい子なのですね。」

といった具合に。

 

 

 子どもたちをみる視点、子どもたちを褒める材料をたくさん得ることができます。

保護者とのはじめてのコミュニケーションにもなります。

そして、子どもたちのことをもっともっと知れた気がして、嬉しくなります。

子どもとつながり、保護者・家庭ともつながるしかけを、1年の中で様々な場面で仕組んでいきたいと思っています。

 

 今年も、保護者の方々と共に、「共育」していきたいと考えている今日この頃です。

 

 

次回は「学級会のあれこれ」 について書かせていただきます!

宗実 直樹(むねざね なおき)

兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭
特別活動を学級づくりの中心に、「字をかき、汗をかき、恥をかき、頭をかき」ながら、子どもたちと共に伸びていく姿勢を大切にしています。日々是好日。地道に一歩ずつ精進していきたいです。

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