新年度が始まりました。
どんな始まりでしょうか?
穏やかな日々であることを願います。
ところで、今回は若い先生が年度のはじめに気をつけた方がよいことについて書きたいと思います。
以前、これに関連した内容で下のような文を書きました。
興味のある方は読んでみてください。
20年前、私が初任だった時、初めて担任したクラスでは、うまくいかないことも多かったです。
今、思い出しても苦々しいことがいくつもあります。
きっと様々な配慮が足りなかったのでしょう。
その当時の子ども達に悪いことをしてしまったなと今になっても思います。
さて、本題に入るのですが、新年度が始まったこの時期をどのように過ごすのかで、この一年間が決まってきます。
「黄金の三日間」などと言われたりもしています。
「どんなことをしたらよいのか」、「注意すべきことは何なのか」などについてネットワーク上を検索したり、本を探したりすれば、たくさんの実践を見つけることができます。
そういったことは優れた先人達にお任せするとして、少し違った見方から若い先生が苦労しそうなことについて話題にしたいと思います。
まず、学級経営に関してです。
1つ目は、「周りに相談する」ということです。
学級経営においては、様々な問題が起こります。
若い先生ほど、色々な苦労をします。
しかし、若い先生がする苦労は多くの先人がすでに経験していることであることが多いです。
若い先生が悩んでいる時には、周りの先生に相談をすることをお勧めします。
経験年数を経ている先生方は、これまでに多くの失敗や苦労を経験しています。
そして、それらをそれなりにきちんと消化しています。
失敗や苦労を経て、それらのことを消化することができない人は、心や体を壊してしまうことが多いです。
ある程度の年齢まで教師を続けられている人は、それなりに力を持っている人と見ることができます。
若い先生は、是非ともそういった先生達に相談し、しないでよい苦労をしないようにして欲しいと思います。
また、始めのうちは変な独自性は出さない方がよいと思います。
独りよがりな判断は多くの場合、うまくいきません。
非常に強い個性がある場合は、別ですが、それは、もとJリーガーであるとか、けん玉日本一であるというような場合だろうと思います。
多くの人は、まずは、周りの先生の様子を見て、相談しながら、無難なスタートを切ることをお勧めします。
学級経営についての2つ目は、「感情をコントロールする」ということです。
教室で担任として子ども達に接していると、感情を乱される場面が何度もあります。
担任の指示した通りに子どもが動かず、イライラすることも多いはずです。
そういった時、「なにやってんだーっ!!」と大声を出し、叱る先生もいます。
特に教室はある意味、密室です。
部屋の中には大人は担任一人しかおらず、他は全て子どもです。
そういった状況では、担任が変な意味で「強く出る」こともできます。
けれども、基本的に、担任は大声を出すなどの感情的な行動はしない方がよいと思います。
感情的な行動は、徐々にエスカレートしていく可能性があります。
体罰につながっていく可能性もあります。
ある県議会では、教師の大声の指導によって体調を崩す(円形脱毛症)ことになってしまった子どもがいたことに対し、教育長が「不適切な指導だった」と答弁したそうです。
子どもが教師の指示した通りに動かなかった場合、それは、教師の指示が悪い場合がほとんどです。
説明が丁寧でなかったり、作業の順番が適切でなかったりということがほとんどです。
それなので、子どもがきちんと動いていない場合、教師は感情を乱して叱るのではなく、何故、子どもがきちんと動かなかったのかと冷静に観察し、分析すべきなのです。
そして、上手く動かせなかったことを「詫びる」位で良いのだと思っています。
最後に、事務的なことも書きます。
教員をしていると多くの文書が配られます。
新年度のこの時期には、一日に数十枚の文書がそれぞれの個人に配られます。
その中には、非常に重要なものからそのままゴミ箱に捨ててもよい物まで色々なものが混ざっています。
それらを判断し、分類していくことが必要になります。
そして、それらをファイルに入れて、分類していきます。
こういった分類は意外と大事になります。
分類が分からなければ、周りの先生に聞いてみてください。
是非、職員室の机の整理整頓を心がけてください。
これは教室の整理整頓にも言えることです。
慌ただしい日々だろうと思います。
心と体の健康を維持し、毎日、笑顔でいられるようにしてください。
先生達、特に若い先生が生き生きと活躍できることを心から願っています。
がんばってください。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。
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