2014.03.27
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学校と家庭との連携 ~個別指導計画なんていらない!

東京学芸大学教職大学院 准教授 増田 謙太郎

「学校と家庭との連携」

もう何の疑う余地もない、清く正しい現代的な教育キーワードです。

でも、今回のつれづれでは、あえてダウトをかけてみたいと思います。

 

 

 

「学校と家庭との連携」

「早急で迅速な対応」くらい、上滑りのする役所言葉ではないでしょうか。

わたしもレポートなんかには、落としどころとして便利だから使ってしまいますが(笑)。

 

 

 

「学校と家庭との連携」

子どものことを、共通理解して、それぞれ役割分担を明確にして、協力して取り組むこと。

だいたいがこのような定義で、いろいろな本には書いてあります。

役割分担って、何? 

明確にするって、どういうこと?

「お風呂掃除は旦那の仕事って決めてるから!」そんなレベルの話なのでしょうか(笑)。

 

 

 

「学校と家庭との連携」

このキーワードがにわかに脚光を浴びているのは、それが大切だと強調しなければいけない時代だから。

裏を返せば、あえて声高に叫ばないと、それができない学校と家庭が多いから。

 

 

 

「学校と家庭との連携」

医療の世界で、似た言葉がありますね。「インフォームド・コンセント」。

インフォームド・コンセントの根本は、多少とも当事者が参加できるようにするもの。

「そういうことがあるのか。」

「そういうことをするなら、わたしはこういうことができるかな。」

これが理想的な姿ですが、

 

「こういうことがあるのであらかじめお伝えしておきます。あとで訴えられたらかなわないから。」

だと、これは宣戦布告です。

 

 

 

「学校と家庭との連携」

私の専門である特別支援教育では、「学校と家庭との連携」やインフォームド・コンセントを具現化したツールがあります。

その名も「個別指導計画」。

 

かつて、個別指導計画の文末表現を、「である」調にするか、「ですます」調にするかで議論してことがあります。

学校の組織的な論理からすれば、「保護者に見せるものなのだから、丁寧に。ですます調で。」ということになります。

 

丁寧な文章で書くことは、それはいいことなのだけど、「保護者に見せるものだから」という時点で、「学校と家庭との連携」は、いったいどこへいってしまったのでしょうか?

宣戦布告の香りが漂います(笑)。

 

そうして、個別指導計画をよくわからないまま書く人が増え、こんな個別指導計画が蔓延しています。

 

・何が書いてあるのだかわからない個別指導計画

・専門的な言葉に酔いしれている個別指導計画

・読む気のしない個別指導計画

・文字の間違いを探すくらいしか興味のない個別指導計画

・コピペだらけの個別指導計画

 

 

 

「学校と家庭との連携」

 

個別指導計画に沿った教育なんて、楽しくない!

実は現場のほとんどの先生が感じていることだと思います。

 

この気持ちは大切にしたほうがいいと思います。

 

多くの家庭が願っているのは、「子どもが楽しく学校に通えているかどうか」ですから。

先生が楽しくない教育なんか、子どもが楽しめるわけがない!

 

個別指導計画を作るのが楽しくて仕方ない先生は、どうぞ個別指導計画作りに邁進してください。そのほうが、楽しい教育ができるから。

かくいう私は、計画作り大好きなので、邁進します!(笑) 

増田 謙太郎(ますだ けんたろう)

東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。

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