2月は受験の季節ですね。
私自身の受験勉強の思い出といえば・・・そういえば私は、いつもラジオのトーク番組や、音楽をかけながら受験勉強していました。
そんなので集中できるのか?と、親には言われたものですが。
そのほうが集中できたのです。
図書館とか予備校の自習室とか、静かすぎて具合が悪くなるくらいダメでした。
それは、大人になって仕事をするようになっても変わりません。
今だって、音楽聴きながら、テレビでオリンピック見ながら、コーヒー飲みながら、お菓子食べながら、家族と話しながら、このつれづれの原稿を書いています(笑)。
学校での仕事も、同時に3つ4つのタスクを並行しながら仕事を進めていています。
そうです。わたしは昔からいわゆる「ながら族」でした。
自分がそうだからいうわけでもないですが、小学校の教師の仕事は「ながら族」に向いていると思います。
授業の場面を想像してみましょう。
さて、そろそろ次のプリントを配るかな。
そういえば、Aさんは今、保健室に行ってるな。大丈夫かな。様子を見にいかなきゃ。
そういえば、さっきBくんとCくんがケンカしてたな。あとで、話を聞かなきゃ。
そういえば、Dさんがさっき何か言いかけてたな。なんだっけ?
そういえば、この時間が終わったら、緊急の職員打ち合わせがあるって言ってたな。
そういえば、隣のクラスのE先生、出張だったな。自習にしているから、様子を見に行かなきゃ。
おっと、もう残り10分だ。そろそろ、子供たちの活動を一区切りつけなきゃ。
そういえば・・・。
学校の先生は多忙だといわれますが、授業や学級経営がうまくいくには、同時進行でいろいろなタスクを進めていかないと、やっていけません。「ながら族」の本領発揮です。
一方、「ながら族」とは対極の、いわゆる「集中族」の教師も存在します。
私の印象ですが、集中族の先生は、すごく研究熱心。生徒指導も粘り強い。
結局、誰しも自分が「気分いい」やり方をしたいものです。
しかし、ここで問題になってくるのは、自分の「気分いい」やり方は、他の人にも有効だと思い込んでしまうこと。
自分の「気分いい」やり方は、もしかしたらある人にとっては「気分悪い」やり方かもしれない。
「気分よくない」やり方を押し付けられると、気分悪くなる。心も病んでいく。
ながら族の人に「もっと集中しろ!」と、私語禁止にしたり。
集中族の人に「もっと効率的にしろ!」と、進捗状況の確認をこまめにさせたり。
これは、その人にとって「気分悪い」環境になっているわけです。
教員のメンタルヘルスが叫ばれていますが、やはり一人一人の教師の特性を見て、その人に応じたやり方を認めてあげることが、大切なんじゃないかなと思ったりもします。
さて、子供にも「気分いい」学習の環境があるはずです。
教師自身の「気分いい」やり方を、子供に押し付けてないか?
私も自問自答です。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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