和食文化、世界に広がる ~ユネスコ世界無形文化遺産になって~
平成25年12月4日水曜日、日本人の伝統的な食文化である和食が、ユネスコ世界文化遺産に記載(登録)の決議がなされました。
無形文化遺産とは、どのようなものをいうのでしょうか。
ユネスコでは、「無形文化遺産とは、慣習、描写、表現、知識及び技術並びにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間であって、社会、集団及び場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるものをいう」と定義しています。
食の分野では、地中海の食事、フランスの美食術、メキシコの伝統料理、トルコの伝統料理ケシケキが登録されています。
和食の推薦理由は4つあったそうです。
それは、
一、新鮮な食材と調理
二、優れた栄養のバランス
三、年中行事との関わり
四、美しさ・季節の表現
です。
日本人としては嬉しくなる内容ですね。
事実、テレビのニュースなどでは、日本人の多くがこのニュースを喜び、和食を知る外国人もうなづいていました。
一ヶ月経った今、このニュースを忘れてしまっていた人もいるかもしれません。
しかし、これは忘れてはならない大きな事件ではないかと思うのです。
なぜなら、私は、今後の10年で三つの大きな変化が起こると予測しているからです。
それは、
1.世界的な和食ブームの到来
2.和の食材が手に入りにくくなる(日本において)
3.日本の農業・漁業が大きく興隆または減衰する
の三つです。
今後、私たちがいかなる先見の明をもっていくかが、とても重要だと考えています。
1.世界的な和食ブームの到来
実は、もう世界中で和食ブームが高まっています。一昔前ならば、外国人が知っている和食と言えば、寿司やてんぷらくらいなものでした。
以前に見たテレビ番組では、世界のセレブや歌手が、健康に生活したいと願い、月に何十万円も払って専属料理人や栄養士を雇うと、和食を食べさせてくれるとのことでした。
100%ではないにしろ、腕の良い日本の料理人が世界で重宝されている事実はあちらこちらにあります。
が、これは、もう昔話です。
今は違います。
寿司はもちろん、うどん、ラーメン、カレー、焼肉、定食など、様々な和食文化が急速に世界に広がっています。
これは、日本で成功したチェーン店などが海外に店舗を拡大していることが大きな原因のひとつです。
「新鮮・安全・美味しい」の日本品質で食事を提供すれば、世界の多くの地域で歓迎されるのは明らかです。
(1)「新鮮」
地理的な問題等で、新鮮な食材を得にくかった地域は少なくないからです。
ですが、輸送手段の発達で、現在ではサハラ砂漠の真ん中で活魚を食べることも不可能ではありません。
現在は、新鮮な食材を調理する食文化のなかった地域でもお金と手間をかければ、新鮮な食材を手に入れることができるのです。
(2)「安全」
国によって法規制は違います。
日本では、危険とされている農薬や肥料を使って農作物を生産している国もあります。
公害への規制が緩いために、水銀やカドミウムなどの重金属等によって汚染された土壌や河川で農作物を作ったり、魚を獲って食べねばならない現状の国もあります。
ある国では、生産される米の44%がカドミウムに汚染されたまま流通しているそうです。
なぜ、わかっていて流通させるのか?!
汚染された米が莫大で処分に困るのと、それを処分したら約6億人の国民が飢えるからだとテレビ番組は伝えていました。
その後に、その国から輸入した安い米の特売に日本の主婦が飛びついて買っているという映像が流されました。
この映像には、輸入食材の安全性について考えなくてはいけないという報道側の意図を感じましたが、他国の食の汚染は日本にも関係のない問題ではないのです。
遺伝子組み換え作物についても、忘れてはなりません。
害虫駆除のために、体内に殺虫成分を作り出し、虫が食べると死ぬトウモロコシや大豆やジャガイモがあるそうです。
その国では、大量に作って日本に売ろうとしているが、日本は怖いから買おうとしない。
仕方ないから、遺伝子組み換えでないトウモロコシや大豆やジャガイモを作って日本へ売っている。
だが、遺伝子組み換え作物から飛んだ花粉が、となりの遺伝子組み換えでない作物の畑にも飛んでいる。
この結果、遺伝子組み換えハーフ作物が出来上がり、遺伝子組み換えでない作物の称号を勝ち取って販売される。
スーパーなどで売られている食品に、「遺伝子組み換えでない」と書かれているのを見たことがあるだろうか。
これは、遺伝子組み換え作物が数パーセント以内の混入ならば、そう書いていいそうだ。
裏を返せば、
「数パーセントは、虫が食べると殺虫成分で死んでしまう、遺伝子組み換え作物が入っていますよ。」
と、言っているのと変わりがない。
ジャガイモとして輸入がだめなら、フライドポテト用に切ったり粉末にした物はどうだろうか?
トウモロコシとして輸入がだめなら、缶詰にしたり菓子に加工したり、粉末家畜用資料としてならどうだろうか?
そのままでは輸入できない禁止作物も、加工すれば分からなくなってしまうので、日本に大量に入ってきているはずである。
わが国では公害が克服されつつあるのに、アトピーやアレルギーの子どもが増え、癌の致死率が増えていることの原因はなんだろうか。
原因は、食の他に考えられるだろうか?
基準値内だからといって、安全と言われる危険な食材を続けて食べてはいないだろうかと振り返る。
切れやすく問題行動を起こすことと、食の関係の指摘もなされているが、大きく取り上げられることは、現在はほとんどない。
お金にならず、変人扱いされて、損をするだけなので誰も法整備をしようとしないのか…。
私は、自分の体で、長年人体実験をしている。(笑)
食事をした後は、経過を見守っている。
食材の種類やメーカーによって体調変化が必ずある。
だから、食材の種類やメーカーによって、健康へのランク付けができてしまう。
品質の悪い種類やメーカーの食材を食べた後は、必ず小さな後遺症が出る。
吹き出物が出たり、疲れやすくなったり、眠くなったり、気分が優れない。
全ての食材に当てはまる話だ。
我が家の子どもは、授乳中に乳児湿疹がひどかった。
乳児湿疹がひどい日は、赤ちゃんはボーっとしていた。
かゆそうに掻いて自分で顔や頭に傷を作っていた。
医者へ行くと、石鹸で良く洗うように言われた。
そうかと、日に三回洗うと、改善はしたが完全に治らない。
もう一度医者へ行くと、石鹸の流し残しだと言われた。
頭を石鹸で洗った後は、油分を流すために2~3分は流していたのになぁと考えた…。
そこで、長年の実験の結果を生かして、
「油物を控えるようにしては?」
と、妻にアドバイスした。
色々と試した結果、油物・乳製品・パンなどを食べないようにするときれいに乳児湿疹は無くなった。
上記の食品を食べると、後の授乳後に湿疹がひどかった。
あれは、湿疹ではない、吹き出物である!
体内に体に悪い物が入っているのである。
日頃、なんとなく食べている物には、私達に必要のない物が含まれていたり、過剰摂取しているのだと、赤ちゃんから教えてもらった。
皆さんも気をつけたらいいと思う。
食材の安全性に気を配るだけで、より健康に生活できるのだから。
他にも、食によるホルモン異常で、男性の女性化、女性の男性化も起こるというデータがある。
食の安全は、病気になるならないという基準で判断すべきでない。
詳しくは書かないが、日本では安全な食材の方が少なくなった時代である。
いかに、危険物の混入が少ない食材を摂取し、デトックスできる自分の体と生活習慣をつくるかが、健康の秘訣なのかもしれない。
(3)「美味しい」
うま味物質として知られているものには、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸があります。
和食では、この三つのうま味を、食材から実にうまく引き出して調理します。
先日、あるテレビ番組で、アメリカで最高の寿司職人と日本の寿司職人の対決をやっていました。
アメリカの現地の食材を使って、しかも審査員は全員アメリカ人でした。
そこで、なんと、日本の寿司職人は、アメリカ人の苦手な蛸を出したのです。
わざわざ相手の嫌いなものを出さなくても…と心意気には感じましたが心配は深まりました。
甘い、辛い料理に慣れているアメリカ人に日本の寿司の良さを分かってもらえるのか…。
結果は、審査員全員が日本に軍配をあげていました。
完全勝利です。
工夫やアイデアでは打ち破れない、日本の寿司職人の伝統の知恵と技が光りました。
食材を見極め、秘伝の技をもって食材の価値を最大限に引き出す料理人の技。
私は感動しました。
日本には、工夫やアイデア、否、お金をかけても決して勝てない、価値のある伝統の文化が他にもたくさんある
と、感じました。
こんな凄腕の料理人の料理を身近に食べている、私たちの家庭料理(和食)の美味しさは、自然と高くなっているはずです。
今は、インターネットや交通・輸送手段が整備されているので、「和食」の素晴らしさが世界中に広まるのは、あっという間です。
世界の人が、和食を普段の食事に取り入れるのは、遠くない将来です。
和食ブームは、ねずみ算で急加速を続けています。
2.和の食材が手に入りにくくなる(日本において)
これも、もう始まっています。
昨年まで、築地の初せりでのマグロの落札価格はうなぎ上りでした。
以前は、一匹300万円から600万円だったマグロが、昨年にはなんと、1億5550万円の高値で取引されたのです。
これは、大トロの握り寿司一つが約5万円になる計算です。
これは、アジアで寿司人気が高まっているので、最高の食材を求めて、中国などの寿司チェーン店が参入するようになり、日本の寿司店と激しく競り合ってきたからです。
今年の初せりでは、価格が700万円台に戻ったと聞きました。
中国で、寿司人気が衰えたのでしょうか?
日本の最高食材は、海外へ流出する心配がなくなったのでしょうか?
いえいえ、違います。
賢いチェーン店は、直接、日本の漁協や漁師さんと契約するようになったのです。
今や、日本の美味しい魚は、外国へ急速に流れ始めています。
私は、昨年、3年生の社会科で、りんごの授業をしました。
調べていて分かったことなのですが、日本のような美味しいりんごは、世界ではめったに食べられないそうです。
外国に求められて、美味しいりんごの作り方を教えに行った方に話を聞きました。
すると、数年越しで教えて美味しいりんごを作れる技を惜しげもなく伝授して帰ってくるのだそうです。
が、作り方があまりにも手間なために、外国では作り手が育たないので、結局は作れないのだそうです。
近年、経済力をつけてきた国では、日本の美味しいりんごが1個2千円ほどで飛ぶように売れているそうです。
米もそうです。
ある国では、日本の販売価格の10倍の価格で、最高品質の米を全て大人買いしていくそうです。
そういえば、米も肉も野菜も果物も魚も、一部を除いて、明らかに私が子どもの頃よりも味が落ちている気がします。
もはや、これまでは日常的に食べることができた一級品の食材は、私たちの口には入りにくくなっているのかもしれません。
今後、国内で安く買い叩かれている農家の方が、国内と海外のどちらに農作物を売るようになるか…。
私は、和食の世界的ブームの広がりに乗って、近い将来、「日本産」というだけで、世界が争って日本で獲れる食材を買い求めるようになると思っています。
しかも、日本は、農業・漁業人口が減ってきていますから、日本産の食材も減っていくと考えられます。
そうなったら、日本に暮らす私たちの口には、一級品どころか、二級品も、それどころか日本産は一切食べることができなくなるかもしれません。
シンガポール人の半数は億万長者ですが、和食ブームが広がりつつあります。
ある焼肉店では、一皿が数万円もする和牛の焼肉が一番人気だそうです。
世界の裕福な人たちが、和食を好きになって、日本の食材を買い求めたら…。
私には、1個2千円のりんごも、一切れ5万円の握り寿司も、30㎏十数万円する米を買うこともできそうにありません。
そうなったら、安全基準値内のカドミウムが入った激安の輸入米を食べていくしか生き残る道はなさそうです。
まさかと思われる方も多いでしょうが、TPPで関税が完全に自由化されれば(日本は一部の特定の品目は自由化しない方針で交渉中だが、完全自由化を強く求められている)、益々、外国のものは入って来やすくなり、国産のものは出て行きやすくなります。
この心配は、秒読みの状態です。
和の食材は、年々手に入りにくくなっています。
これからは、自作で食材を確保する術を持っている人に大きな恩恵がある時代です。
私は、子どもたちに、このことを教えるべきでしょうか。
3.日本の農業・漁業が大きく興隆または減衰する
さあ、ここからが大事です。
美味しい和食が食べられなくなると聞いて、慌てても、悲しんでも、怒っても、何も現状は変わりません。
ましてや、自分は、お金持ちだから大丈夫だなんて安心するのはもってのほかです。
★ 農業・漁業それぞれの興隆と減衰シミュレーション
(1)農業
日本は、外国に比べて山が多く、耕地面積が狭いので、大規模農業に向きません。
たがら、価格は外国産よりも高くなります。
しかし、生産技術は世界一です。
狭い土地で、たくさんの収穫をあげ、しかも美味しい作物を作る術をたくさんもっています。
前述しましたが、外国人の誰もが簡単に真似のできないものです。
これからは、日本の生産物が高値になることは確実ですから、農業・漁業をしている人が収入を増やすチャンスが多くなってきます。
私の地元で、小遣い稼ぎにある作物を作り始めたおじいちゃんがいます。
数年経ったら、小遣いが月30万円以上入ってきているそうです。
悠々自適な生活をしながら、小遣いが30万円以上とは、驚きです。
会社で、地域の田を借り上げて、米を作って販売するところもあります。
美味しさは普通ですが、宣伝効果もあってか大繁盛しています。
農業は、儲かるようになれば、生産者が増えますが、日本の耕地面積は限られていて狭いので、ある一定以上の興隆は難しいです。
また、3Kを嫌い、苦労知らずが増えていると言われる日本の若者が農業を継ぐとは限りません。
目を輝かせて、日本の素晴らしい農業を学び、日本人以上に日本を愛し、丹精込めて作物を作る外国人が、今後はどんどん増えると思います。
「ジョンさんが作った米」だとか、「陳さんの作ったトマト」なんてのが、笑顔の写真入で店頭に並ぶ日も遠くない気がします。
もう並んでいる地域もあるかもしれませんね。
農協の会合をしたら、過半数が外国人で、英語で会議…。
気がついたら、日本人は、彼らの作った農業会社で事務仕事をしたいるだけになった。
日本の農業が世界一の人気産地になった未来は、どうなるのでしょうか。
世界の人口は増え続けています。
水不足と食糧不足は、経済力のない国で起こり始めています。
自国の経済力に物を言わせて、貧困な国の土地を買い捲っている国もあるようです。
水や食料危機に備えて、自国の食料を生産するための準備だそうです。
昨年は、日本は、法整備が未熟なので、水源や農地などがドンドン外国に買われていることを心配する報道もありました。
日本の農業が滅びることはないと思いますが、50年後に日本人が生産している割合はどれくらいなのか、生産されたものの何割が輸出されているのかと思ったりします。
皆さんは、何をもって、日本の農業の興隆と考えますか?
(2)漁業
私は、漁師さんをすごく応援していますが、魚を売る値段を売り手の漁師さんが決められない事が不思議です。
農作物も同様ですが、荒海で命をかけて魚を獲っている漁師さんは大事にせねばなりません。
ところが、苦労して魚をたくさん獲っても、漁船の燃料代にもならないことがあるそうです。
魚の最終販売先の小売店や飲食店は魚で大儲けをしているのに、一番苦労して獲っている人達が一番儲からない。
これはおかしいです。
魚の国内販売の不均衡を是正しなくては、わが国の漁業未来は暗いでしょう。
補助金を出すのなんか駄目です。
治療放棄の延命措置だからです。
ですが、大手の企業が、漁協と契約して、取れた魚を損しない金額で買い上げるところが出てきているそうです。
企業は、そろばん勘定が上手いので、漁師さんも損せず、自分達が儲かるようにし始めたのです。
でも、たぶん、漁師さんより企業の方が儲けているはずです。
それでも今までよりはましなので、いいシステムだと思っていました。
でも、儲からないと漁師さんは増えません。
子どもたちは、ただ生きていくだけなら、辛い漁師さんより、楽な仕事を選びます。
仕事への遣り甲斐よりも、いかに儲けるか…。
そんな発想を、我が国の文化にしてはならないと思います。
和食の世界的ブームの広がりが加速しているので、外国企業がこぞって、日本産の魚を買いに来るようになります。
「輸送費が高いからそんなの妄想だ。」
と、賢ぶっても駄目です。
世界のセレブはお金に糸目をつけませんし、手段も選びません。
和食の世界ブームに乗って、上手く契約すれば、日本の漁業は儲かり、跡継ぎも、いや会社としてかな、増えて日本の漁業は盛んになるでしょう。
だけど、その時、日本で魚を獲っているのは日本人とは限りません。
たぶん、自分で獲る方が安上がるので、外国は日本の漁業権を買って自国の船を送り込むはずです。
そして、例に漏れず、情け容赦なく魚を取り捲る者が現れます。
その時になって、注意したり、警告しても駄目です。
真面目にルールを守って漁をする人達もいるでしょうが、警告している間に回復不可能なほどの乱獲をする人達がいないとも限りません。
厳罰のあるルールが必要になるのかもしれません。
現在は、世界に日本産の魚介類が少しずつ流れていますが、これからは少しかどうかは分かりません。
現在でも日本人の魚食は、輸入に頼らないと現状維持ができないくらいです。
以前、私のお気に入りの廻るお寿司屋さんで、マグロを注文したら出てきたのは日本産のクロマグロでした。
久しぶりに行くと、ネタが薄くなって地中海産クロマグロに変わっていました。
同じクロマグロだからいいかと思っていたら、最近はクロマグロが出なくなりました。
寿司の質に定評のある石川県ですら、この状況です。
世界和食ブームに乗って、日本の漁業は、益々興隆しますが、減衰する危険もまたはらんでいるのです。
ともあれ、和食が世界無形文化遺産になったことは喜ぶべきことです。
世界の人々が、地産地消で、自給自足で、和食の考え方と素材の生かし方を学んで、自国の食材を大切にするならば、その国の人は、より健康に、幸せになっていくことでしょう。
反対に、二十世紀の植民地支配のように、相手国から食材搾取することだけを考えるならば、ひいては自国を滅ぼすことになるでしょう。
心ある日本の食糧生産に関わる人達は、土地を海を大切にし、丹精込めて生産してきました。
心ある日本の料理人は、食材に感謝し、料理できることに感謝し、生産してくれた方に感謝し、最大限の食材の力を引き出す業を磨いてきました。
私は、単に「和食はヘルシーだ!」、「日本の食材は素晴らしい!」といった間違ったメッセージを発信してはならないと考えます。
「和食が世界無形文化遺産となった」その意義は、世界の人に受け取って欲しいメッセージは、
一、身の周りの自然が与えてくれる食材に感謝し、食材を愛で育てること。
二、食材を生産した人に感謝し、おいしく調理して食べること。
三、和食とは、食事そのものではなく、食を生産から消費まで、愛で、喜びと楽しみと健康を分かち合う
という精神文化を言う。
すなわち、和食が世界遺産となった根源の因は、食への考え方と所作による。
然るに、世界のいかなる食材も、和食の精神を大切にしながら調理するならば、和食となる。
僕は、こういう和食の精神が世界に広がれば、水不足や食糧不足で戦争をすることがない世界になる、大きな助けになると思う。
和食の世界無形遺産というニュースは、世界が自分たちの生き方について見つめ直し、共に手を取り合って幸せになっていく、きっかけにできるのではないか。
担任している子どもたちとも、そんな話をしてみたいと思うのだが、やはり5年生では難しくて興味のない子も多いだろうしなぁ。
でも、クラスの子どもたちと、本当に大事な話を…勉強を…したいなぁ。
こんな会話を共に楽しめる友が側にいたら、幸せだと思うが、ここに書いて読んでいただけるだけで、私はもう幸せ者なのかもしれない。
泊 和寿(とまり かずひさ)
石川県金沢市立三谷小学校 教諭
私は、子どもたちが目を輝かせて生き生きと学ぶ姿が大好きです。子どもが本気になって学ぶと、グワッと教師を越えていきます。今年も、そんな感動をめざしたいと思います。
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