前々回の「新機能を探す」記事に続くものです。
指導・支援でタブレット端末をより便利に活用するための「ちょっと便利な機能」のご紹介。
今回のiOSのアップデートで使用できるようになった「AirDrop」
最初は、ほほーぐらいに思っていたのですが、実際に使用してみると実に便利な機能だと思えてきました。
私や私の周りの仲間は基本的にiOSの端末を使用しています。今までご紹介してきたように学習の様子を写真に撮り、
それを授業の最後や一日の最後に振り返りとして活用しています。今までは複数の端末に入っている画像を、その場で端末ごと切り替えてTVに出力して活用していました。それでも同じケーブルやコネクタで使用できるので、十分便利だなと感じながら活用していました。特に視覚的な情報の処理が得意なお子さんたちには効果的に機能しているなと思いながら使用していました。ただ、一台のメイン端末に画像を集めるには、電波が必要だったんです。ここがネックでした。校内はwifi環境にないため、wifi接続しかない端末からデータを転送するのにいろいろな手段を講じていました。
そんなネックを「AirDrop」がすぐに解決してくれました。Bluetooth接続だけで近距離の端末にすぐにデータを送れるのです。これはお使いいただくのが一番だと思いますが、私の担当しているクラスでは、毎日の学習の振り返りの際に、今日の学習の中からそれぞれの教員が画像をピックアップして、帰りの会で使用する一台の端末に送ります。その端末のKeynoteで帰りの会を視覚的に支援しながら、振り返り場面ではすぐに写真に切り替えて見せることができるのです。こうすることで、いままで端末をケーブルにつなぎ直していたタイムロスがなくなりました。これは私たちが考えていた以上に大きな変化でした。その端末の切り替え時にちょっとした待ち時間でふっと席から離席するお子さんが離席する回数が減っています。
また、グループに分かれての学習時には、いつもの担当のお子さんたちと離れて学習したりもします。それまでもグループ担当の教員が画像や動画を授業後にすぐに見せてくれて、学習の様子をすぐに共有するよう工夫してきました。ただ、このAirDropがあれば、そのデータをその場ですぐに転送し、自分の担当のクラスでの振り返りにも活用することができるのです。しかも数秒で。
まだまだ使い始めたばかりの機能ですので、これからさらにいろいろと活用できる場面が増えてくるかもしれません。前回お話した音楽データもそうですし、画像データやプレゼンデータもすぐに共有できますので、これからもいろいろな活用方法を工夫して学習を進めていければと考えているところです。
郡司 竜平(ぐんじ りゅうへい)
北海道札幌養護学校 教諭
小学校支援級、通常級と担当させていただき、現在は札幌養護学校小学部にいます。ここでは、私が取り組んでいる特別支援教育におけるICTの活用について具体例を交えながらご紹介していけたらと考えています。
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