今回のつれづれ日誌は、縦書き、横書きの話です。
みなさんは、縦書きと横書きどちらが好きですか?
私は、本に関していえば、縦書きの本が好きですね。
横書きだと、なんかこう理解が進まない感じ。
たとえば新聞。縦書きなので、多少固めの難しい話題でも読みにくさを感じたことはありません。
でも、横書きの学習指導案や学習指導要領。ほんと読みにくくていつも苦戦しています。
もちろん文章表現力や内容の問題もあるかもしれません。
でも、縦書き、横書きの違いによる影響はあるのではないかと思います。
このつれづれ日誌もそうですが、パソコン環境だと、必然的に横書きの文章を読まなくてはなりません。
だから、このつれづれ日誌の他の先生の記事を読むときも、結構つらいです。内容の問題ではなくて、横書きだから、たぶん(笑)。
こういう私ですから、あえて、改行を多くしたり、文章を短くしたり、くだけた表現を使ったりして、少しでも読者の方が読みやすくなるように気を使っているつもりです。
パソコン環境も縦書きになれば、私のような人間は助かるのに。
文書作成もインターネットも、横書きをすべて縦書きに自動変換!なんていう縦書き変換ソフトを、どなたか発明してください(笑)
さて、学校で縦書き、横書きがどうなっているかというと・・・。
「国語科」の授業は縦書き、あとの教科は横書きを使うことが多いように思います。
これも学校のヒデュンカリキュラム(暗黙の了解として受け継がれているもの)ですね。
あとは、なんとなくのレイアウト次第で使い分けていますかね。
見慣れた教室の黒板。右端の日付や日直を書くあたりは縦書き、先生が作った授業予定のカードは縦書きなんてケースが多いかと思います。
パソコンで作ったワークシートなんかだと、圧倒的に横書き仕様ですね。
子どもは、縦書き、横書きをどう認識しているのでしょうか?
先日参観した特別支援学級の国語の授業にて興味深いことがありました。
その授業では、子供たちがカタカナの単語の書き取りをしていました。
市販されているプリント教材でしたが、なぜか横書き仕様。
そして、一人の子供が「ハンバーガー」と書く欄に、伸ばす音「-」が、横書きにもかかわらず「|」と縦棒で表記していたのです。
パソコンで表現すると「ハンバ|ガ|」。
なるほど、日本語の表記の中では、伸ばす音「-」は縦書きか横書きかで変わってくる唯一の文字なんだと、これは大発見でした(笑)。
そんなわけで、ちょっと縦書き横書きに興味を持ってしまったので、関連した文献を調べてみました。
すると、縦書き横書きについて研究されていた大学の先生がいらっしゃいました。
その先生は様々な実験の結果、次の二つの結論を導き出していました。
・縦書きの読みは文のつながり、文脈を捉えるのに適している。
・横書きの読みは、単語や短い語句を捉えるのに適している。
やっぱり! 縦書きの方が文章の意味を捉えるのには適しているんだ!
こういう事実は、子供の指導にも生かせますね。
たとえば算数の文章読解、縦書きにしたらどうなるだろう?
引用文献:熊谷高幸「タテ書きはことばの景色をつくる」新曜社 2013年
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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