私が日常的な指導、支援の主力として使っているiOSの各端末ですが、皆さんのご存知のとおり一定のスパンで新端末が出ます。それら全てを購入することはもちろん難しいのですが、新端末には新機能がほぼ搭載されますので、必ず手に取って触り、実際に動かしてみることにしています。
新端末が出る頃にはいろいろな情報がインターネット等に出回ります。私自身が使用する時にあったら便利だなと思う機能と、児童の指導、支援の際にあったらいいなと思う機能に分けて情報を見るようにしています。そして、新端末が出ると一目散にお店にいって、イメージしていたものと一致するのか、はたまたイメージのはるか先をいく機能なのか、ワクワクしながら手に取るのです。
この秋にも新端末が出ました。事前のいろいろな情報を整理して、指導、支援に用いる際のイメージを膨らませていました。一番ワクワクしていた機能は、地味かもしれませんが、カメラの動画によるスローモーション機能でした。これは指導、支援に必ず活かせる!!とピンときました。昨年度の日誌でたしか学習の振り返り場面で、静止画をすぐに用いて振り返りを行うことが有効ではないか、との内容をお伝えしたかと思います。今年度の学習場面の振り返りでは、さらに静止画より動画の方が、子どもたちの注視度が高くなると個人的には感じています。その動画をさらにスローで見せることができれば、子どもたちが自分たちの学習内容をより正確に認知でき、記憶することで次の学習へつながっていくと考えていたからです。
そして、なによりこの機能が標準装備されていることが大切です。
なぜか。
アプリではいろいろな機能があります。しかし、自分が実際に使い、これはいける!!と思っても、それらを人に伝える時にはまずアプリをダウンロードしてもらってから話しをしなければなりません。無料であれば、多くの人は、すぐにダウンロードしてくれるかと思います。ただ、ネット環境になかったりすると、また明日…となってしまい、話は中座してしまいます。それが、有料アプリだった場合は、一人ひとりの価値観も違ってきますから、便利だけど、その価格の価値があるかどうかという新たな視点が加わります。
デフォルトだとこのステップがないのです。最初から「同じ前提」で話ができるのです。
これは非常に大きなことだと思います。
なぜこのようなことを伝えたいのか。
これは、支援者間で情報や指導に関する事項を共通理解する時と構図が同じだからです。
「同じ前提」をデフォルト機能として、標準装備することが簡単ではないと感じているからです。
この「同じ前提」を持つことは、子どもたちの指導、支援には欠かせない要素なのです。特にチームで指導、支援にあたる特別支援学校においては、非常に重要度の高い項目だと私は考えています。
そのことが、この新端末の新機能を探している時に、私の頭をよぎりましたので、ぜひ皆さんにもお伝えしたいと思いました。
そんなことを考えたりしながら、結局、新機能を搭載した新端末を購入したことは言うまでもありません…。
郡司 竜平(ぐんじ りゅうへい)
北海道札幌養護学校 教諭
小学校支援級、通常級と担当させていただき、現在は札幌養護学校小学部にいます。ここでは、私が取り組んでいる特別支援教育におけるICTの活用について具体例を交えながらご紹介していけたらと考えています。
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