ちょっと熱くなった話。
いつもの私の内容とは少し異なるかもしれません。でもどうしても一言残しておきたかったですし、皆さんにもお伝えしたかったので書かせていただきました。
ここ最近読んだ本から。
「THE 教師力」2013、明治図書、「THE 教師力」編集委員会著
ここのところ、自分の専門分野の専門書に目を通すことが多く、「教師とは」という根本を見つめ直すものから少し遠ざかっていました。そんな時に目にした一冊です。
読み進めていくうちに胸に響くキーワードがありました。大谷和明先生のページに書かれていた「修行力」(前掲書、p26)です。
そこには「自ら出かける研修の方が、いやいや行く研修よりも価値があるのは当然のことである。さらに、身銭を切って学ぶ尊い意欲があればこそ、身についていく」と述べられていました。この一節が、私が若い頃に学んだこととものの見事にリンクしたのです。
私は若い頃に「自分の時間とお金を費やして学んだ研修は必ず生きる」と先輩から教わってきました。そしてそれを教えてくださった先輩はそれを見事に実践されている尊敬できる素晴らしい先輩でした。初任で赴任した職場で、とにかくその先輩や志を同じにする同僚と多くの時間を費やし共に学びました。このことを鮮明に思い出させてくれた大谷先生のお話でした。初心を思い出すことができました。
今、インターネットを使えば多くのことを学べる時代になりました。私がこちらでもよく登場させるタブレット端末やスマホを使えば、すぐに、実に手軽にいろいろなことが検索できるようになりました。しかし、それは同時に、「いつでも学べる」安心感からか、学び修行することへの意識を薄れさせる危険性があるのかもしれません。このことを常に意識して学び続けることが必要なんだと改めて自分に問い直しています。
もう一つ。大谷先生が書かれていたことに「講師・助言者を断るな」ということがあります。これは今年度の私の状況と重なる部分が多かったので、考えさせる機会になりました。今年度はありがたいことに各方面からお声をかけていただき、講師の仕事をいただいています。正直、私などで務まるのかと思い、お受けするべきか悩んだこともありました。しかし、いまはお受けさせていただき、皆さんの前でお話しさせていただいたことはプラスだったと考えられるようになりました。それには大谷先生が「自分の実践を間接的に検証すること」になったと私自身が思えるからです。資料を作成する中で、自分の実践を振り返ることにつながり、お話しし、ご質問を受けたり、ご意見をいただくことで自分の考えと実践をより整理することができたからです。もちろん、お話を聞いていただいた皆さんの実践の一助になれればとの思いがありますが、自分自身の学びにも大いにつなげることができました。
そしてこれらは全て目の前の「子どもたち」がいたからこそできたことであるので、整理した考えや実践を子どもたちと共にさらにしっかり実践することで返していきたいとの思いを強くしているところです。
これからもしっかり自ら学んでいきたいと思います。
郡司 竜平(ぐんじ りゅうへい)
北海道札幌養護学校 教諭
小学校支援級、通常級と担当させていただき、現在は札幌養護学校小学部にいます。ここでは、私が取り組んでいる特別支援教育におけるICTの活用について具体例を交えながらご紹介していけたらと考えています。
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