2学期 Nice start! のコツみ~つけた
2学期がスタートしました。
夏休み中に、たっぷりと充電をした子どもの表情は生き生きと輝いています。
これはいいぞ!
さすがです。
みんな良いスタートをきっています。
素直に頑張ろうと思える学期始めは、成長の大チャンスです!
1.おおおっ、スタート大成功!
中には、目を見張る姿の子どもがいます。
褒めたい気持ち満々で言いますが、1学期と比べて、まるで別人のようです!
一学期は、やや大人しめの印象の子でした。
でも、2学期は・・・
積極的に手を挙げて発言をします。
委員会活動も意欲的でモリモリ働きます。
しかも、とてもいい仕事っぷりです。
思わず、毎回褒めてしまいます。
友達とのかかわりも楽しそうです。
ノートを書く丁寧さも素晴らしいです。
指導した通りに、どんどん力をつけて、応用をしていきます。
まるで階段10段飛ばしのような、大成長です。
みんなが良いスタートしている中でも、つい注目してしまいます。
新鮮な気持ちは、薄れていくのが普通です。
なのに、彼は薄れず、クレシェンドです。
これは、分析すべき値打ちがありそうです。
そこで今回は、
<A君は、なぜスタート大成功ができたのか>
<A君のやる気は、なぜ薄れずにクレシェンドしているのか>
の2つの課題について、「あゆみ」を通して考察したいと思います。
2.<A君は、なぜスタート大成功ができたのか>
(1) 9月1日(月)の「あゆみ」
【発言】
今日は、もう二学期の授業が始まりました。
二学期は、なるべく発言をしていこうと思います。
間違ってもいいから発言!!
先生のこの言葉のようにしていきたいです。
そして、毎日きちんと「あゆみ」を書いて宿題をする。
この、当たり前のことをしっかりやってから、難しいことをやっていくというふうにしていき、
でも、その当たり前のことを全力でやっていきます。
これは、9月、学校スタートの日の文です。
やる気が感じられます。
やる気だけでなく、何にチャレンジするのかをはっきり決めています。
「発言」です。
段階を追って、どのようにチャレンジしていくのかをシミュレーション、イメージをもっています。
担任の話が、とても良かったのでしょうか。
いえ、それよりも、先生の話を受け止めて、自分なりにこれからの推進力に変えている彼が素晴らしいです。
彼が、そうできたのは、実は前日の過ごし方によるところが大きかったと見ています。
彼は、前日をどのように過ごしたのでしょうか。
(2)9月1日(日)の「あゆみ」
【整理】
今日は、新しい二学期に備えて、自分の部屋の整理をしました。
まずは、自分の服の前に置いてある物の整頓をしました。
整理をしたら、なくしたと思って探していた物が出てきて、すごく得をした気分になりました。
すごく、自分の部屋が広くなり、快適に勉強ができるようになりました。
なんだか、頭の中がスッキリしました。
どうでしょう。
彼は、スタートのための準備として、部屋の整頓をしていました。
しかも、整頓した良さと達成感を味わっています。
小さな達成感と次への意欲をもって、次の日を迎えていたのです。
頭の中がスッキリとしているので、次の思考もスッキリとしていたのではないかと思います。
3.<A君のやる気は、なぜ薄れずにクレシェンドしているのか>
一言でいうと、達成感の積み重ねが続いているからです。
授業で、積極的に手を挙げて発言しているので、自分も気分が良いです。
もっと、したくなります。
前向きな姿勢を先生に褒められ、気分がいいです。
発言以外の事も、もっとしたくなります。
委員会活動を頑張りました。
たまたま見ていた先生に褒められました。
また、頑張ろうと思います。
もはや、A君は、達成感の積み重ねスパイラルに、はまっています。
スタートで腹が決まって、即実行に移したのが良かったのです。
A君のやる気が薄れずにクレシェンドしているのは、そういうわけです。
もちろん、その他の要因もありますが、ここでは省略します。
4.やる気を引き出すチョコット習慣
やる気が薄れていかないためには、やる気を引き出す仕掛けを作ってしまうのがいいです。
一時的な仕掛けではなく、継続的に習慣化させてしまえば、日々、余計な神経を使って努力しなくても済みます。
最後は、トマリンが、「これは習慣化しておくといい!」と思っている、秘密のチョコット習慣を紹介します。
どれも効果覿面!
簡単、即効、ニコニコリンです。
〔家庭編〕
(1) 早寝・早起き……小学生なら9時前には寝かしたいものです。私の経験では、それより遅くまで起きている習慣のある子は、学校でのやる気やパフォーマンスが悪くなります。やる気がなかったり、コミュニケーションが取りにくかったり、怒りやすい、あきらめやすい、いじけやすい、消極的、ビックリ発言・行動、友達関係がうまく築けない、などの原因になり、その状態が続くと、それがその子どもの癖や性格になっていくので要注意です。現代日本の大人の起床就寝時間は・・・いいお手本とは言えません。子どもの手本となって、親も良い習慣に直すチャンスだと考えます。
(2) 洗顔・歯磨き・風呂……湯船にしっかりとつかって、洗ってさっぱりとした気分になると、良い睡眠ができます。洗顔や歯磨きも健康面で大切です。しっかりやっていないと、気分だけでなく、健康も損なわれます。試しに三日間、風呂・洗面・歯磨きをやめてみると、不健康を実感することができます。
(3) 爽やかにあいさつ……「苦み走ったいい男」「何を考えているのか分からない影がある性格が魅力」「沈黙は金」、昔のように一部の閉鎖された社会では値打ちのあった価値観も、グローバルな交流が当たり前となった現代では、反価値になる場合も多いです。個人的な趣味は置いておいて、家庭でのコミュニケーションの在り方は、子どもが外でも同様に使うと考えて間違いありません。「おはよう。」「いただきます。」「ごちそうさま。」「行ってきます。」「ただいま。」などの挨拶は、アイコンタクトをして、爽やかに心を込めて交わしたいものです。
(4) アイコンタクト……近年、人の心が分からない子が増えたとか、自己中な人が増えたなど、コミュニケーションの障害について語られることが多くなってきました。多忙な現代では、目と目を合わせて話す心のゆとりがなく、ITの進化によりコミュニケーションも間接的なものの方が多くなってきました。現代日本の社会は、人との直接コミュニケーションの経験が激減している時代です。だからこそ、まずは家庭から「アイコンタクト」を大事にして話す機会を持つようにしましょう。時間がなければ、挨拶の時を意識するだけでも、よいきっかけになります。人とより良いコミュニケーションがとれるかとれないかは、家庭の習慣次第です。だから、私は、学校では、子どもに目を見て話すことを意識させます。目を見ないから伝わらない、受け取れないのです。
「なぁーんだ、当たり前なことばかりだよ。」
と、思った方は、素晴らしいです。
きっと、あなたの周りには素敵なコミュニケーションが為されていると思います。
4つの習慣を生かすと、あら不思議、いつの間にか、ナイスなスタートを切って、達成感の積み重ねスパイラルにはまっているかもしれません。
2学期 Nice start! のコツみ~つけた!

泊 和寿(とまり かずひさ)
石川県金沢市立三谷小学校 教諭
私は、子どもたちが目を輝かせて生き生きと学ぶ姿が大好きです。子どもが本気になって学ぶと、グワッと教師を越えていきます。今年も、そんな感動をめざしたいと思います。
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