2013.08.06
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出会いを生きる力に変える

石川県金沢市立三谷小学校 教諭 泊 和寿

2013.8 東京駅 移り行く時代と人々を見つめる駅と一緒に

 

 

出会いを生きる力に変える生き方

昨日、あまんきみこさんの対談を直に拝見する機会を得た。

正直言うと、疲れ気味で我慢して聞き始めたのだったが、最後には・・・あまんさんに出会えたことに、喜びとささやかな感動を覚えながら聞き入っている自分がいた。

なぜ彼女の作品が教科書に多く載っているのか、それが分かった気がした。

 

あまんさんは、出会いを生きる力に変えて生きているのだ。

そう感じた。

1 あまんきみこさんの対談より

 対談では、書かれた作品へのエピソードが中心に進められた。

 私が、目を見開いて聞き入ったのは、対談を締めくくる最後のお話しだった。

「最後に、学校の先生方と子どもたちに何かメッセージはないですか。」

 そして、始まった最後のお話であった。

 以下、要約である。

 

 

2 伝えたいのは、「絶対に光の世界がある」ということ。 

         「生まれ生きていることは素晴らしい」ということ。

 

 あまんさんは、子どもの頃、大連で、盲腸で入院した。

 担任の海野先生が見舞いに来たが、恥ずかしくて狸寝入りをしたまま先生を帰してしまった。

 それ以来、嘘をついたような感覚になり、後悔をしていた。

 大人になって、海野先生が末期のガンで入院。

 自分の病について知らない先生の前では泣いてはいけないと友達に言われていたが、先生に会った瞬間に、あまんさんは大泣きしてしまう。

 慰めてくれる海野先生に、あまんさんは、泣きながら子どもの頃の狸寝入りを詫びただけ。

 結局、他は話せないまま面会時間が終わって帰る。

 そんな事しか言えなかった自分は馬鹿だと泣きながら帰った数カ月後に先生は亡くなってしまう。

 お葬式では、海野先生が生前に書いた手紙で、そのエピソードを嬉しかったと紹介し、

 「思い出を大切に。子どもの頃の思い出がどんなに力になるか…。」

 と、メッセージを贈ってくれた。

 あまんさんは、とっても嬉しかった。

 先生に助けられたと感じた。

 自分は馬鹿だった…と。

 先生の笑顔は、それほど子ども一人一人の笑顔に力をもつ。

 みなさん(学校の先生方)は、素晴らしい御仕事をされている。

 自分は先生でよかった!

 教えていて嬉しい!

 との思いでいて下さい。

 それが、教育の力になるのだと思います。

 と。

 

 あまんさんの素直な生き方は、人間愛を感じさせてくれる。

 感動がある。

 生きる希望がある。

 人の真心を感じ取ることができる。

 そして、それを素直に表現する。

 だから、出会う人が、みな共感する。

 その結果、作品が教科書に多く載るようになったのであろう。

 あまんさんは、出会いを生きる力に変えて、人生を輝かせながら生きていらっしゃるのだと感じた。

 

 

3 出会いを生きる力に変える鍵とは

 出会いを力に変えて生きる人には共通点がある。

 ・・・信じること。

 私が、あまんさんから感じ取ったのは、素直さ、生きる意欲・・・否、その根本は「信じること」。

 映画などで、登場人物が、ふりかかる不幸に対して、何の根拠もない信じていれば叶う的なセリフを言うのをよく目にする。

 大怪我をして、動脈が切れて大量出血している仲間に対して、

 「大丈夫、きっと治る!」

 勝利が絶望的な戦闘の終盤において、

 「俺を信じろ、必ず勝てる!」

 何かを信じていないと、人格とは脆く、崩壊する。

 だから、人は何か希望を探し求めて、信じ、心を落ち着けたいと動く。

 だけど、映画では、常に奇跡が起こるが、現実はそんなに甘くない。

 根拠がないものを信じる者は、必ず不幸になる。
 しかし、信ずべきものを信じない者も、必ず不幸になる。

 

 私の感じた「信じること」とは、それとは違う。

 根拠も実績も、がっちりとあるものへの「信じること」である。

 目には見えないが、確実に存在する、そんなものへの「信じること」である。

 無理に信じるのではなく、素直に信じられる、そういうものへの信である。

 伝わるかなぁ。

 最後に、もう一度、メッセージを紹介する。

 

 

 伝えたいのは、「絶対に光の世界がある」ということ。 
        「生まれ生きていることは素晴らしい」ということ。

 

 

 ここに、出会いを生きる力に変える鍵がある。

 さあ、私たちも、出会いを本物の力に変えて、生きて、生きて、生き抜こう。

泊 和寿(とまり かずひさ)

石川県金沢市立三谷小学校 教諭
私は、子どもたちが目を輝かせて生き生きと学ぶ姿が大好きです。子どもが本気になって学ぶと、グワッと教師を越えていきます。今年も、そんな感動をめざしたいと思います。

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