2013.07.08

「寝かせて振り返る?」１学期

富山県立富山視覚総合支援学校　教諭　岩本昌明

７月になりました。

各教科やＨＲ等で１学期を振り返る機会が
あるのではないでしょうか。

みなさんはどのように
１学期を振り返るようにしておられますか。

私は、
「学校生活（行事）」
「勉強」
「自分に関すること」の
３項目を中心に１学期を振り返るようにしました。

A君に
「１学期の学校生活（行事）と言えば、
頭に浮かぶものは何がありますか」と
尋ねます。

すると
「運動会」と答えてくれました。

「運動会」は、学校全体で、みんなが参加できる楽しい行事で
良かったようです。

運動会当日の記憶にとどまらず
その行事までに事前に色々準備をしたこと、
例えば「応援練習」をしたこと。
その準備のために他の学部・科の
児童生徒らみんなが集まり協力したこと。
みんなが集まることから
今まで全く知らなかった人たちと
一緒に何かをできたこと。
それまで話した事もなかった人と
会話ができたこと。
会話をすることで
その人達の違った面に出会えたこと。
これら全てが良かったようです。

私は
「運動会」という１つの行事が
生徒１人ひとりに
それぞれ違って受け止められていることに
改めて気づかされました。
この行事を通して
人とのつながりが広がっていく体験を
積むことができ、このことに喜びを感じた
人もいるのだと気づかされました。
行事と一緒に人間的な成長があったということを
７月になって知ることになりました。

運動会に参加できて「楽しかった」ということに加えて
自分が参加することで
自分の所属する団の中での
結束、団結力、そして
「頑張ろう」「頑張って！」など
応援することで
知らず知らず一体感を味わっていたようです。
自分は１人ではなく、
みんなと繋がっている
「絆」みたいものを感じたのかもしれません。

また「応援練習」以外の準備段階でも
みんなが、意見を出し合い、話し合いをしながら
自分たちで決めていくという決定過程が
保障されていました。
また、そのためのある程度の時間も
確保されていることも良かったようです。
今まで、誰かが決めたことに
従うことが多かったのと比べると
「自主的主体的に物事を話し合いで
決めていく」
このことが
衝撃的なことでもあったようです。

６月の「運動会」を
１ヶ月も経過した７月に振り返ることができました。
時間が経過したことで
行事の直後では気づかなかったかもしれないことが
逆に強い想い出（印象）となったようでもあります。

ちょっと例えが良くないかもしれませんが、
寝かせるとうまみが醸成される
梅干しや漬け物のような感じでしょうか。

わたし自身も
少し時間をとって
１学期（いや人生？）を振り返ってみようかと思います。