先日ある学会に足を運びました。
予定の受付時間より少々早く会場に着いてしまいました。
まだ会場校の先生方もスタンバイしていないような時間帯でした。
私よりもずいぶんと年齢が若い感じがする先生が
爽やかに笑顔で朝の挨拶で迎えてくださいました。
しかし、その笑顔の額にはアンパンマン(?)の
「熱冷ましシート」が貼ってあるではありませんか。
そうです。子どもが熱を出したときによく使う、
冷やすために貼る、あの青いゼリー状のモノです。
え??大のおとなが、
ちょっと引いてしまいました。
と、同時に私はその先生がアイスノンを貼らなければならない
状況がすーっと想像でき、大変なのだろうなあと思いました。
心の中で、「ご苦労様です。諸準備ありがとうございます」と
感謝していました。
(人前で「熱冷ましシート」を外し忘れた。
ただのおっちょこちょいなのだけかも?)
少々の熱を押して
会場校担当者として奔走されておられました。
多分、熱を出すほどの色々と手配を前日までされ
時間を費やされたのだと想像いたしました。
私は、少々の不調を押してまで
頑張る姿やその姿勢に
体調が悪くなるほどまで、準備にご尽力されたその努力に
新鮮な感動と「ときめき」のようなものを覚えました。
しかし、一方では、
「アグネスの教育アドバイス:教師のうつ病。対策は」も
頭をよぎりました。
「現在忙しくて辛い思いをしている教師の方は、声を上げて実情を訴えてい
く必要もあると思います。」という一文です。
でも、声を上げることもできない場合や人が多いという実態も
分かって欲しいのになあと思っています。
何事にも言えることかもしれませんが、
バランスや加減ということが問題になってきます。
「そんな無理をしてまで、一生懸命に準備する必要はあるのだろうか。」
「体調を犠牲にせず、代理の方に任せるなど
チームとして対応すれば良いのではないか。」などです。
さて、その先生は
通常の受付が始まる時間になると
先ほどの「熱冷ましシート」は貼っておられません。
ネクタイにブレザーというビシッとした
素敵な姿で、ハツラツと会場を動き回っておられました。
(ほんの数分前の「熱冷ましシート」の姿など想像も
できないほど)
私は、その先生に「プロ意識」と「かっこよさ」を感じました。
こんな先生に仕事は任せられるのだと素直に思ったのです。
大したこともないのに、色々な言い訳や理由を付けて
いやなことや面倒な事柄から
遠ざかったり、避けるような考えになりがちな自分を
見つめ直すきっかけになったような気がします。
蒸し暑い今夜は、
「冷却シート」でも貼って、頭を冷やして寝ましょうか?
付記:
陸上世界選手権(8月、モスクワ)男子マラソン代表の
川内優輝(26=埼玉県庁)が、16日行われた隠岐の島
ウルトラマラソンで優勝するも、倒れ入院するのニュースが
飛び込んできました。別の意味で、力を出し切る生き方を
示してくれているようです。
岩本 昌明(いわもと まさあき)
富山県立富山視覚総合支援学校 教諭
視覚に病弱部門が併置された全国初の総合支援学校。北陸富山から四季折々にふれて、特別支援教育と英語教育を始め、身の回りに関わる雑感や思いを皆さんと共有できたらと願っています。
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