2013.05.31
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「阪神淡路地震と東日本地震」体験-四季防災館での校外学習-

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭 岩本 昌明

とても長いタイトルを付けさせていただきました。
それだけ私が、この校外学習に思い入れがあるのと、
災害体験型施設に感動したからです。


私の一押しは、施設1階に設置されている地震体験です。
地震の波形が目の前のスクリーンに映し出されます。
そして、その波形通りの震度で床が揺れます。装置が揺れている時間や
衝撃の度合いを再現します。生徒らは、平成7年の阪神淡路地震、平成23年の東日本地震、平成19年の新潟県中越沖地震、同じく平成19年の能登半島地震、昭和23年の福井地震と次々に地震を体験しました。
「体験しました」と書きましたが、実際は、しゃがみ込む者あり、
身体を支える棒を握りしめて、揺れで倒れないように頑張っている者、
「わぁー」や「きゃー」とか叫び声を上げるものもいました。
地震が多くない富山県民には、大変貴重な体験になったと思います。

私は、関東に7年間おりましたので、微弱なものも含め当時の地震の実体験と比較すると富山県は本当に地震のない県と思います。
だからこそ、生徒らがこのような地震を体験することはとても意味があると思います。
恐怖感を含め実際の地震は、どのようなものなのか。同じような地震が起きたら、1人でどのように対処できるか。家族や誰かに助けを求めることができるだろうか。身体で感じ、考えることができたようです。
視覚障害の場合は、一層怖く感じるようです。
最近富山県内の活断層に関して研究が進んでいます。
従来の活断層と位置や長さなどの規模が、研究によって修正されています。富山も他の都道府県に準じて、もしもの場合への備えが必要だと思います。

生徒らは、地震の揺れ方が、一様でなく、上述した地震が全く異なることを知り体験できました。具体的には、東日本地震は揺れが確かに大きかったのですが、それに加えて、揺れている時間が長いのが特徴でした。
また阪神淡路地震は、最初にドカーンと大きな揺れが1つあり、その後弱い地震が続いたのが特徴です。どれ1つとしても同じ地震はないのです。縦揺れ、横揺れが複雑に混じり合います。
地震のバーチャル体験の装置から床に降りても、まだ身体が揺れを感じ続けているのに、ちょっと驚いている生徒もいました。
どこか遠くで起きた昔の出来事で自分と直接関係はないと、とらえるのでなく、身近に感じてもらえたようです。

他にも、初期消化体験、風雨災害体験、煙体験がありました。風雨災害体験では、風速30mの雨混じりの風の中を体験しました。前を全く向くことができず、息も難しいことを知りました。ニュースの報道で、台風など風雨が強い現場からの報道の大変さが分かったようです。全体で所要時間2時間の基本コースの体験学習は、あっという間に時間が過ぎていきました。


昨年平成24年4月に開館したばかりの、「四季防災館」で
様々な防災について学ぶと共に貴重な体験ができたようです。
私の言葉だけでは物足りず、臨場感を味わいたい方は
Youtubeに別の方の地震体験がアップされています。
3~4分程度です。別に宣伝するつもりはありませんが、
ご覧いただければ参考になると思います。
(参考:http://www.youtube.com/watch?v=AURfwIGfjAE または
http://www.youtube.com/watch?v=sSNxu4cdtCc

地震体験以外にどのような体験があるのかについては
[四季防災館]と検索で
入力していただければ、幾つもサイトや記事が
ヒットしますのでご覧ください。
(参考:http://shikibousaikan.jp/


追伸:関東では、埼玉県防災学習センター(鴻巣)、東京都北区防災センター(地震の科学館)、東京臨海広域防災公園他、また関西では、人と防災未来センター(神戸)など全国各地で似たような様々な施設が多数あるようです。
「井の中の蛙大海を知らず」でした。

岩本 昌明(いわもと まさあき)

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭
視覚に病弱部門が併置された全国初の総合支援学校。北陸富山から四季折々にふれて、特別支援教育と英語教育を始め、身の回りに関わる雑感や思いを皆さんと共有できたらと願っています。

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