2013.05.24
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トマリンの「あゆみ」

石川県金沢市立三谷小学校 教諭 泊 和寿

  

 

トマリンの「あゆみ」

 

今回から、教員をめざす人、若い教員の皆さん、指導する立場にある皆さんにお届けするコーナーがスタートします。

 ひょっとしたら、保護者の皆さんが子育てに役立つこともあるかもしれません。

 これまでに、私が児童生徒を指導するときに役立ったこと、心がけていること、考えていること、など、自分の身で実験証明して、「これは良い!」と感じたことだけを「トマリンのあゆみ」として紹介していきます。

 

1.教師は自分の世界(教育観)をもて

 

教師は、自分の教育観をもつことが、とても大切だ。

 

 ・どんな学級づくりをしたいのか。

 ・どんな授業をめざしているのか。

 ・何のために教員をしているのか。

 

一言で、答えられるだろうか。

教育観は、言わば設計図だ。

答えられなかったり、長々と説明の必要があったりするようでは、設計図が曖昧だ。

曖昧な設計図をもとに作られたものは、曖昧になる。

学級が育ってこないのも、研究授業をしてうまくいかないのも、これに一因がある。

だから、教師は自分の世界(教育観)をもつことが大切だ。

そして、一言で語れるかどうか。

次には、常に子どもの実態をよく分析するように心がけよう。

それから、どのように指導するか方針を立てる。

あとは、自分が感じたとおりに指導すればよい。

自分の世界(教育観)があって、常に問題意識をもってとりくんでいる教師は、不思議なことに、臨機応変かつ適切な対応ができる。

自分の世界がなかったり曖昧で、マニュアルのみを頼りにしていると臨機応変の対応ができない。

教師にとって、自分の世界(教育観)をもつことは、とても大切だ。

 

2.自分の意志をもって生きる子どもは、人生を豊かに生きる

 

子どもは、とても柔軟で前向きな思考をもっている。

それを生かして、自分の意志をもって生きる子どもになって欲しい。

そして、社会で共に生きるために大切な、知恵と力も養ってほしい。

なぜなら、自分の意志をもって生きることが、人生を豊かにする鍵だからだ。

だから、私は、授業では、探求心に火をつけることを大切にしている。

「知りたい!」

「できるようになりたい!」

「習ったことを生かしたい!」

という願いをもって授業に臨ませたいと、いつもくんずねんずしている。

「習得」「活用」「探求」という3つのキーワードがある。

若い先生方に知っておいてほしいことは、子どもの探求心に火がついた場合、「習得」や「活用」は自ずと行われ、力がついていくということだ。

しかも、学習意欲は、単元の後半になればなるほど高まり、クライマックスでの達成感は高い。

だから、常の授業では、研究授業のようなスマートな授業ではなく、子どもの学習意欲を引き出すことを心がけるのが良いと考えている。

指示に従ってばかりの受け身な授業に慣れてた子どもは、いつの間にか、自分の意志をもって行動できなくなってくる。

小学生の間は、面白がって勉強もするだろうが、ずっとそんな学び方では、必ずいつか飽きてやる気を失う。

逆に、自分の意志をもって学習することを大切にした授業をしていると、無駄も多いし、時間もかかるが、そのうちに自ら動き出して学ぶようになる。

そして、自分の意志をもって試行錯誤しながら学ぶ癖がついた子どもは、いつしか、自分の人生を豊かにする生き方をするようになる。

「自らの意志をもって、自分の人生を豊かに生きる子どもを育てるために、日々の授業がある。」

と言ったら、言い過ぎだろうか。

 

 

3.ふじだなおとぎ会を終えて

 

さて、前号で、本校の伝統行事「ふじだなおとぎ会」に、本気でとりくんでいると紹介した。

本気の先に、子どもたちは何をつかんだのだろうか。

会を終えた当日の「あゆみ」から紹介したい。

 

【児童 A】

今年は、めずらしく晴天の下でのふじだなおとぎ会です。

おかげで、とても気合が入ったし、嬉しかったので笑顔になれました。

ふじだなおとぎ会は、成功したし、先生から180点ももらえて嬉しかったです。

 

【児童 B】

<とどけ!!未来へ> 

今日は、ふじだなおとぎ会。

灼熱の太陽と、雲一つない美しい空の下で、詩と歌を響かせます。

野の花のように、ふまれてもへこたれず、強くなっていく。

そんな思いを藤の花へとどけましした。

私は、きっと、この思いが藤の花にも伝わったと思います。

 

【児童 C】

練習の時は、やだなぁと思ったりもしました。

練習の最初は、そう思ったりしていたんだけど、段々、もっと上手になりたいと思えるようになりました。

そして、本番、大成功でした。

いやだと思った練習も成功したことで、「みんなで協力してできるチャンスだったんだ。」に変わりました。

 

【児童 D】

ぼくは、手をたたいて回る役でした。

ちょっとはずかしかったです。

セリフは、ちょっと間が少なくなってしまったけど、大きな声で言えたのでよかったです。

嬉しかったです。

ふじだなおとぎ会が大成功して、運動会につなげたいです。

 

【児童 E】

楽しくもあり、不安でいっぱいでもある、複雑な気持ちでいっぱいでした。

練習でも、ほとんどだめだったのに、本番でもできるわけがないなぁ・・・。

と思いながら前に出てやると、あれ、失敗しない!むしろいい!

五年二組の絆と心が、今、つながったんだと思います。

 

【児童 F】

  <努力・協力・助け合いの先の成功>  

「パチパチ!」この、大きな心地いい音を待っていた。

この音は、伝えたいことが伝わったという意味。

成功したというしるし。

そう、ふじだなが成功したのだ。

努力は、一人一人できる。

しかし、協力と助け合いは一人ではできない。

みんながいてこそ、できる。

その、協力、助け合いのおかげで、成功できた。

つらい事を乗り越えた先の成功というのは、ふつうの成功よりも達成感がある。

そして、120%成功になる。

私は、今日あらためて、5年2組でよかったと思った。

完成度はあまり高くなかったが、一番心を一つに協力できていたクラスだったと思う。

表向きではなく、うらでものすごくがんばってきた。

そして、私は、NさんIさんペア、OさんYさん(ふじだなおとぎ会実行委員)が、人の何倍もがんばってきたと私は思う。

私も、この四人に負けないようにがんばろうと努力してきた。

これから、どんどん進化し続ける5年2組でいたいと思う。

最後のNさんの言葉どおり、

心を一つにがんばるゾ~

 

5年2組の子どもたちは、それぞれに一歩前進の手ごたえを感じ、次の目標に向かって歩み始めています。

さすがです!

私もがんばるぞぅ!

泊 和寿(とまり かずひさ)

石川県金沢市立三谷小学校 教諭
私は、子どもたちが目を輝かせて生き生きと学ぶ姿が大好きです。子どもが本気になって学ぶと、グワッと教師を越えていきます。今年も、そんな感動をめざしたいと思います。

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