今回のつれづれ日誌は、服務の厳正についてです。
というような話は、校長先生から耳にタコができるほど聞いていますよね(笑)。
なので、もう少しゆるい部分の話をしていきたいと思います。
さて、表題にありますが、もし自分の学校の先生が、「iPod聴きながら仕事」していたら、どう思いますか? もし職場の同僚が、「iPod聴きながら仕事」していたら、あなたはどう思いますか?
私の独自調査では、「けしからん!」と「まあ、それくらい・・」が半々くらいの反応でした。
「そんなこと考えたこともなかったです。今までも、普通にやってました。」という先生もいました。
「オレはiPod聴きながらでも、ちゃんと仕事できている。もし誰かに話しかけられても、ちゃんと対応している!」なんて、反論もありました。
でも、もし、同じ公務員である役所の職員がiPod聴いていたら、ほとんどの市民が「けしからん!」って思いますよね。一般企業でも、同じでしょう。
「学校の常識・世間の非常識」はこういうところに現れますね。
「職務に専念すること」は法的にも定められていますし。
○勤務時間中に公用パソコンでブログ書き込み(減給)
○勤務時間中にマイカーで喫煙(減給)
○勤務時間中に乗馬クラブ(免職)
○勤務時間中にWBC観戦
このような事例は、たまにニュースで流れたりしますよね。ここまでいくと、アウト。ペナルティが課せられても、まあ仕方ないかと思います。
勤務時間中に「iPod聴きながら仕事」は、ペナルティこそないかもしれないけど、まあ非常にビミョーなところ。
○勤務時間中に、気象情報をTVやインターネットで調べた。
○職員会議中に、テストのマル付けをしていた。
○勤務時間中に、友達や家族にメールを送った。
○授業中、我慢できなくてトイレに行った。
○机に家族の写真を貼っていた。
○具合が悪いので保健室で少し休養していた。
○出張に行く電車の中で週刊誌を読んでいた。
これらの事例も、まあビミョーだなあってところですね。
しかし、このビミョーさを侮ると、窮地に追い込まれることがあります。
ビミョーなものには、これらの行為を「けしからん!」と「まあ、それくらい・・・」と、とらえる人が両方いるということです。
「けしからん!」と思う方を、モンスターなんとかとラべリングしてしまうのは、早計なんじゃないですかね。
一方、なんでもかんでも「けしからん!」とする校長がいたら、現場の教員は本当に息が詰まって、子どもの教育どころではなくなってしまいます。
私は思います。
このビミョーなところを、どうとらえることができるかが、教師としての力量の一つだと。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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