2013.04.18
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「人生を変えた一言」の巻

石川県金沢市立三谷小学校 教諭 泊 和寿


<2013入学式当日 本校前庭の桜>

 

みなさん、はじめまして。

大好き社会科、金沢大学附属小学校の泊 和寿といいます。

本年度は、5年生の担任をしています。

私の日誌は、楽しく読んでいただけたらと思っています。

楽しみながら、気づいたり、考えたり、プチ哲学をするきっかけになったら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いします。

 

教育つれづれ日誌の連載について

今回、私は、教育つれづれ日誌を執筆する機会をいただいたことを心から感謝しています。

なぜなら、随分前から、このような機会をつくりたいと思っていたからです。

実は、私の頭の中は、常に、様々な感情、考察や願い、アイデアなどが溢れてきます。

それらは、誰にでもあることで、内容も他愛もないことかもしれません。

でも、私は、年々、素晴らしく新鮮な気持ちでいます。

毎日、子どもたちや私と関わる皆さんと、ドキドキわくわくしながら過ごしているつもりです。

だけど、毎日、たくさんの無駄や反省をしながら生活しています。

だから、毎日、新たな課題が次々に湧き起ってきます。

完璧な人間ではないので、周りの人に迷惑をかけながら、沢山助けてもらって、なんとか生きています。

しかし、毎日、生きている確かな実感があり、そのことに感謝しながら生きることができています。

それはもう、教育ドラマシリーズの脚本を書けるのではないかと思うくらいの実感です。

いつか、本当に書けたらいいなと思っています。(笑)

だから、私の頭に溢れてくるものは、他愛もないものですが、ひょっとしたら、皆さんに伝える値打ちがあるのではないかと考えています。

今回の文中では、教育活動に役立つノウハウの紹介は少なめか無しにして、他の適任のみなさんにお任せしたいと思います。

そして、私は、自分と子どもとの「あゆみ」を紹介することを中心に書きたいと思っています。(今回は少ないですが)

貴重な場を提供してくれた「学びの場.com」の方々と、読者の皆さんに感謝しながら書き進めたいと思っています。

 

人生を変えた一言

 (1)プログラマー

高校一年生の終わりまでは、コンピューターのプログラマーになろうと思っていました。

高校の入学祝に人気のパソコンを買ってもらって嬉しかったので、毎日のように使っていました。

当時は、ベーシックやマシン語などを使って、簡単なプログラムを組んでいました。

雑誌などに載っているゲームのプログラムなどを、何日もかかって入力して、それで遊んでいたものでした。

そんなことを続けていると、不思議なもので、なんとなくコンピューターの言語やプログラムの仕組みが分かってきます。

年を明けるころには、シューティングやロールプレイング等の自作ゲームを作って遊ぶようになりました。

学校の成績はさっぱりでしたが、好きこそなんとかとはよく言ったものです。

当時は、優勝すると百万円がもらえる自作ゲームの公募もあり、大ブームだったのです。

8時間くらい瞬きしないでディスプレイ画面を見つめて作業に熱中し、まぶたが閉じられなくなって痛い思いをしたこともありました。

そのくらい、パソコンにはまっていました。

人間は、現在熱中していることへの興味関心が自ずと高まるものです。

いつしか、コンピューターのプログラマーになろうと漠然と考えていました。

そのためには、高校二年生で理数科へ進まねばなりません。

しかし、実際は文系へ進級しました。

なぜそうなったのでしょう?

 

(2)率直な一言が自分を省みるきっかけとなる

詳しくは省きますが、ある時、私の横で妹がこう言ったことが原因でした。

「兄ちゃん、子ども相手だと、顔つき違うんやから…。」

妹は、私の一番いい顔つきは、子どもに接している時だというのです。

それを聞いて、「ん?!ということは…。」と思いました。

子どもと接している時の自分が一番いい顔をしているということは、自分は教職にむいているのか?

「確かに、教師は素晴らしい職業で、好きだ。しかし、今の自分には、最もできそうにない難職…。

でも、最も難しいものにチャレンジすると最も成長できるんじゃないかな。一人前の人は、浅い道より深い道を選ぶものだというし、良い苗は良い若木となり、良い実りをもたらすという。そんな仕事ができたら最高だな。うーん、やっぱり教師の方がいいな!」

こうして、私は、妹の一言で、心からすっきりと人生の進路変更をしたのでした。

こう書くと、人生の大転機に聞こえますが、実はそうでもなかったのです。

随分と後になって、小学校の卒業文集に、「自分の将来の夢は学校の先生になること。」と書いていたのを見つけたのです。

その時は、思わず笑ってしまいました。

三つ子の魂百までではありませんが、私には、今の職に就きたいという思いをもっていた時期があったのです。

妹の何気ない一言で、ハッと我に返って、元の志望に戻ったような感覚でした。

 

(3)大切な存在

人は、環境に流されたり、振り回されたりして、自分の歩む道に迷う場合があります。

当時の自分も、流行にはまって、本当に自分が行きたい進路を勘違いしている状態だったように思います。

そんなとき、自分のことを率直に評価してくれる人が近くにいると、自分本来の姿を見つめ直すきっかけをもらうことができる場合があります。

私は、家族に限らず、そんな存在の人を大切にしたいと思っています。

だから、子どもたちにも、機会をとらえて、このような話を伝えています。

子どもたちは、真剣に話を聞いてくれます。

そして、必ずと言っていいほど、友達にとって良い存在であろうと、誠実に行動に表そうとしてくれます。

私も、子どもたちにとって、そんな存在の一人でありたいと願っています。

泊 和寿(とまり かずひさ)

石川県金沢市立三谷小学校 教諭
私は、子どもたちが目を輝かせて生き生きと学ぶ姿が大好きです。子どもが本気になって学ぶと、グワッと教師を越えていきます。今年も、そんな感動をめざしたいと思います。

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