2013.02.28
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「まるごと教育2012」の報告

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

 今年度もあと1ケ月ほどになりました。年度の総括と次年度への構想を固める時期ですね。そこで、今年度の実践の総括をしてみたいと思います。

 2012年度の「まるごと教育」は、「湧気を発揮したくなる新環境教育」というテーマで実践を行ってきました。(2012年4月6日公開のつれづれ日誌参照

 私の場合、新年度がスタートする前にすでに、新年度の構想を練ることにしています。それは、新年度になってしまうと、やるべきことが多く、じっくりと考えることができないからです。先に構想を持ち、その構想をベースとして与えられた職務の中で実践していくのです。そうすれば、やりたいことができるようになります。
 ただ、異動した場合は、学校のことも子どものことも、そして地域のことも、何も分からないわけですから大変ですね。異動しなくても、何年生のどういう子どもたちを担任するか、または担当するかが分からないうちに、新年度構想をつくりますから、分掌等が決まってからの微調整は必要となります。

 二つ目の理由は、自分自身がブレないためです。核になる方針をもっていれば、それに基づく指導ができます。また、新年度になり、その局面において、あれもやりたいこれもやりたいと考えると、自分も子どもたちも混乱するからです。

 さて、今年度は異動しましたので、なかなか思い通りにはいきませんでした。ですから、できることをやり、適宜、軌道修正しながら進めてきました。

 これまでの経過の一部は、この教育つれづれ日誌でも紹介してきました。たとえば、「ここは、りかちゃんルーム」(2012年5月4日)、「子どもの発想から楽しい授業づくり」(2012年6月15日)、「気付きを誘うほねホネクイズ」(2012年6月29日)、「楽(たの)きびしく鍛える!」(2012年11月29日)です。

 今年度のテーマ「湧気を発揮したくなる新環境教育」に基づき、学習環境を整えることで、学びに向かう子どもと子どもたちを育てるようにしてきた一例です。

 ところで、学習環境とはどのようなものが考えられるでしょうか。

 教室環境としては、班や係、掲示物や整理整頓の様子などでしょうか。しかし、それ以上はなかなか思いつかないものです。
 私は学習環境をまず、可視と不可視に分けます。前記のものは学校(教室)における「可視の環境」です。また、「可視の環境」には、家庭に対する「可視の環境」として、お便りや連絡帳、テストなどがあります。つまり、家庭への配布物です。
 一方、「不可視の環境」も学校(教室)と家庭に分けて考えています。前者には、挨拶・返事、言葉遣いなどの作法に関わるものと、学び方(学習のスキル)に関するものがあります。後者の家庭に対する「不可視の環境」は、保護者への挨拶・電話対応などの教師の言動に関するものです。

 こうした学校(教室)と家庭における可視と不可視の環境に対して、「教師の一貫した教育姿勢」と「友だちと環境づくりをしたくなる雰囲気」を乗せていったのが、本年度の実践なのです。
 つまり、教師の思いを明確にしつつも押しつけるのではなく、教師は雰囲気(可視と不可視の環境)をまず整え、子どもが教科等の目標・目的に向かう学習活動をするために、自ら友だちと関係づくりをしたくなるような状況を仕掛けるという実践なのです。

 そのために、まず、教師自身の姿勢に注意を払い、ソーシャルスキルや構成的グループエンカウンター的なショートエクササイズを取り入れながら、教室に掲示物などの仕掛けをつくり、子どもが動き出したくなるようにしてきました。

 こうしたオリジナルの「新環境教育の理論」に基づく実践で、湧気を発揮しようとする子どもが増えてきたのは確かです。ただ、今年度は異動して、よく分からない中で始めたため、不十分な点が多くありました。したがって、この実践の流れは継続し、さらなる充実を図っていく予定です。

 まだ、本年度も時間がありますから、どこまで子どもと子どもたちを伸ばせるか、この1カ月が正念場と考えています。 

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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