2013.01.28
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冬の「音?」を味わう

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭 岩本 昌明

成人式の頃は関東周辺では大変な大雪で
せっかくのおめでたい日も台無しになった方が多いようです。
遠く富山ではテレビのニュースから
雪に揉まれながら振袖姿の女性が
ディズニーで歓声を上げている姿を拝見していました。

自然の営みには人間も抗することができないものです。
雪といえば、克雪、酷雪などと冬の嫌われ物です。
しかし、最近は楽雪という言い方をするようにもなりました。
ポジティブな発想が好まれてきたようです。

さて、グラウンドの雪も天候の加減で水たまりとなり、
気温が下がった翌朝に、氷が張りました。
氷が張るような朝の歩行は大変気をつけなければなりません。
ツルッと足元を奪われ、
打ちどころが悪いと大怪我につながることもあります。
都会の方々よりは
雪や氷上を歩くことに慣れているとは言え
やはり注意が必要です。

小学部の児童が先生と手を繋いで
恐る恐るグラウンドを歩いています。
雪遊び用のスキーウエア-風のオーバーと
帽子と手袋を身にまとっています。
生徒の歩く先には氷が張っています。
「ミシッ。パリッ。シャキ。」など
氷の広さ、厚さ、体重のかけ方、長靴を下ろす速さ
などによって、不定な色々な音が足元からします。

足元から氷を音と共に体験しています。
よく見ると割れた氷を手に持って、
直に冷たさを体感しています。

「これが氷だよ。」
「水が凍ったんだよ。」
「とても冷たいね。」
など、そばにいる先生からの声が
聞こえてきそうです。

「どうして違った音が割る時に
聞こえるの」
先生泣かせの質問をしてる子も
いるようです。

1時間目のまだ太陽の日差しも差していない校庭で
「子供は風の子だ」とばかり
生徒たちは「氷」を体験しています。

最初は恐る恐る歩いていたのが
だんだん慣れてくると
まるでゴジラのような怪獣が荒らし回るように
ドシッ、ノシッと、
先生の手に先導されて
ほとんどの氷が瞬く間に
穴ボコになっていきます。

あ~もったいない。
私も小学生のころ田んぼに張った
氷を根気よく
脚の裏で割っていたことを思い出しました。

生徒たちは、音と足裏と手に触ることなどから「氷」が
見えているのだと私は思いました。

氷や雪を食べてみたい。
カキ氷のようにして食べたい。
ツララを舐めてみたい。

みなさんはどのように冬を楽しんでいますか?
 

豪雪や雪害などの被害を受けられた方々には
お見舞いを申し上げます。
まだまだ寒い日が続くようです。
インフルや感染症にはお気をつけください。

失礼いたします。 

岩本 昌明(いわもと まさあき)

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭
視覚に病弱部門が併置された全国初の総合支援学校。北陸富山から四季折々にふれて、特別支援教育と英語教育を始め、身の回りに関わる雑感や思いを皆さんと共有できたらと願っています。

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