このところ、私のクラスでは、「火星」のことが話題にのぼっています。
月の動きについて学習した後に、ある子どもが家庭学習で調べてきたことがきっかけだったと思います。
火星について調べてみると、驚かされることばかりでした。
これまでも、私は、
「みんなは、いつかは月や火星に住むようになるかもしれない。」
とか
「みんなが大人になった頃は、夏休みの旅行で月まで行ってきました。」
と言うような時代になると言っていました。
そういったことが、現実になるかもしれません。
私(41歳)が、子どもの頃、携帯電話やスマホのようなものは、マンガや映画などの中だけのものでした。
想像すらできませんでした。
しかし、今では、私が子どもの頃、マンガの中にしかなかったものが、普通に世の中にあります。
今から数十年後は、どうなっているのか想像ができません。
悪くなっているかもしれません。
最悪、原子力のトラブルによって、地球に住めなくなっているかもしれません。
良くなっていることを願うのみです。
ところで、子ども達と一緒に火星の画像を見ました。
今、ちょうど、アメリカのNASAのキュリオシティという探査機が撮った画像が見られます。
興味のある方は、調べてみてください。
その画像には、本当に驚かされます。
火星の地表に降り立ち、土壌の成分を調べたりしているのですが、周りの様子の画像をたくさん撮っています。
その写真は、まるで「オーストラリアやアフリカの砂漠」の写真のようです。
そこにラクダが写りこんでいてもおかしくないような風景なのです。
子どもが見ても、「何らかの生物がいるであろう。」と思いますし、色々な課題(空気の組成や温度など)があるにしても「地球の人類が住むことができそうだ。」と思うことのできる景色です。
様々な発想が広がっていきます。
子ども達は、様々なことを考えていきます。
今回、火星のことを話題にする前と後とでは、子ども達の意識や感覚が大きく違っています。
宇宙観や地球観も違ってきています。
子どもの「発想のきっかけ」に刺激を与えたという感じです。
教師をしていてもなかなか感じられない感覚でした。
子どもが自分の興味関心に従って、色々と動きだしています。
教師や学校は、子どもに正しい知識を教えることを目的としています。
けれども、その正しい知識というものも、時間の経過によって変わってしまうものもたくさんあります。
特に自然科学分野では、よくあることです。
地球の人間が見ることのできる範囲が広がるに従って、宇宙に関する正しい知識も変わってきます。
今回の火星の画像などは、まさにその通りです。
先にも書いたように、学校は正しい知識を教えることが目的です。
勿論、それは大事なのですが、今回の子どもの様子などを見ていると、それと同様、もしくはそれ以上に、子どもの興味を刺激することが大事なのではないかと思います。
現在の学校は、状況の変化などもあり、以前よりも慌ただしくなっています。
そういったこともあり、基礎基本を教えるような内容で手一杯な面があります。
しかし、それだけに終わってしまうのではなく、子どもが生き生きとするような、眼がキラキラするような、身を乗り出してくるような授業を是非、していきたいものです。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。
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