最近、非正規雇用に関するデータがいくつか公表されました。
色々と考えさせられるものだったので紹介します。
文科省による学校基本調査では、今春大学を卒業した大学生の約22%の人が「非正規労働に就いた」または、「仕事に就けなかった」のだそうです。
約5人に1人の割合です。
「大学を出たけれど、働く場所がない」という状況です。
もう一つ、厚生労働省が発表したものでは、30代男性の非正規雇用の人は、75%が未婚だそうです。
同年代の正規雇用の人の未婚率は約30%で、差が2.5倍もあるそうです。
「非正規雇用なので、結婚ができない」という状況です。
正規雇用に就くか、非正規雇用に就くかで大きな違いがあることが分かります。
これは、非常に難しい問題を含んでいます。
日本は現在、経済状態が厳しいです。
世界の中においても、様々な競争の中で難しい状況です。
しばらく前であれば、日本の強みであった家電などの製造業も中国や韓国との激しい競争をし、苦戦しています。
前回の文でも書いたように、アメリカの優秀な大学に多くの中国人が留学しています。
そういった人たちが世界を舞台に日本と競争をしてきます。
現在、日本の大学の入学に関して、飽和状態だと言われています。
大学進学を希望する高校生の数と大学の定員のバランスの問題です。
大学には入れたけれど、その後が・・・、といった感じです。
「働く」ということは、大学の入試よりも、様々な部分で厳しさを伴います。
普段、小学校で子どもに接している立場として、今、子ども達に何を伝えることが大事なのかと考えてしまいました。
学校では、学習の「基礎基本」を伝えていくことが大切であると言います。
これは、漢字や計算などの学びの基礎基本を指すことが多いのですが、必要なのはそれだけではないのだと思います。
コミュニケーション能力も大事ですし、ちょっとのトラブルでめげない精神力も必要です。
そうやって考えていくと、あれもこれもとなってしまいます。
結果的には、それぞれの子どもに適した学びをさせていくことが大事なのではと思いました。
小学校の段階で、しっかりと将来を見て、その子どもがどんな力が必要なのかを考えることが大事なのだと思います。
どうしても子ども達と接していると短期的なことに眼がいってしまいます。
学級担任は、一年間という期間のこともあり、特にそうなりがちです。
しかし、時に子どもの将来を意識し、その時にその子どもが必要なものは何なのかということを再確認することが大事なのだと思います。
教育に関わる職には、大きな可能性があります。
より良い教育をしたいと改めて思いました。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。
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