子どもたちが学習するときに必ずといっていいほどお世話になるのが、「いす」です。今回は、特別支援的な「いす」について情報提供をします。
(1)すべりどめマット
100円ショップでよく売っている「すべり止めマット」をただ単にいすの上に置くだけです。安いですし、手間もかかりません。座ってみるとわかるのですが、座るのがとてもラクになります。私の通っている大学もとても座り心地の悪いいすなので、このすべり止めマットを持ち歩こうかと思案中です(笑)。
(2)ボックス型のいす
都内のとある情緒通級学級で発見しました。昔からあるいすのようですが、私は先日はじめて知りました。これは適度な圧迫感によって、姿勢良く座れるようになります。
また、ひっくり返すと、座面の高さが変わるというシンプルな優れものでした。
木工作の得意な先生や主事さんがいたら、作れちゃいそうですね。
(3)テニスボールを脚にはめこむ
もともと耳の聞こえがよくない子どもたちのために開発されたようです。テニスボールをいすの脚にはめ込むことで、いすを引くときの「ガタガタ」という音がなくなります。音に過敏な子どもにとっては、とても集中しやすくなります。
また、このいすを実際に使うと、テニスボールが教室の髪の毛やほこりを取ってくれます。だから教室がきれいになるというおまけもつきます。
「テニスボール いす」などとインターネットで検索してみると、作り方や使い方の例がたくさん出てきますよ。私が以前勤めていた小学校では、卒業前のボランティアとして6年生が全教室分のいすにテニスボールをつけるという取り組みをしていたこともあります。
テニスボールは、テニススクールでいらなくなったボールをタダでもらうことができるので、保護者のテニスママさんに協力してもらうといいでしょう。
他にも・・・。教室で、いすに小型のスピーカーを装着してパソコン台にしている先生がいました。ナイスアイディアですね。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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