北海道では二学期がスタートしました。残暑厳しい時に始まり、雪が降りつもる時に終わる長い二学期ですが、それだけに子どもたちのさまざまな成長が見られる学期です。一つでも多く成長できるように日々子どもたちと関わっていこうと思っているところです。
さて、二学期がスタートしてすぐに二計測がありました。
一学期は、入学してまもないまだまだ子どもたちのことをしっかりとらえられていない時期に計測がありました。その中で、保健室の写真や活動の絵カード、写真カードなどを用いてできるかぎりの情報を伝えたつもりでしたが、ある子どもには十分に伝えきることができなく、うまく受診することができませんでした。
そこで、今回はいつも使っている「たすくスケジュール」を用いて、一連の活動の流れを朝の会で全体提示し、なおかつ、実際の計測場面のスタートからそのお子さんに一つ一つの活動や場所をスケジュール内のカードとマッチングさせながら伝えることをしました。
一学期の始めと違い、私との関係性ができていることも影響しているでしょうが、繰り返し取り組んできた「たすくスケジュール」を用いたことで、こちらが何を伝えたいのかが伝わったのだと思います。
保健室の入り口で入ろうかどうしようか不安そうにしていた一学期の様子はもうありませんでした。友達と一緒にスタスタと入室し、自分から服を脱ぎ始めました。これほどスムーズに服を脱ぐところまで行動できたことに私自身嬉しくなりましたし、子どもの確かな変化、成長を感じることができました。
その後もスケジュールにそって身長、体重と自分から動いていくことができました。もちろん、養護教諭の先生がやさしく呼びかけてくださったりしますが、本人が「わかって、動く」ことができていたと思います。
そんな確かな変化を感じることができた二学期のスタートでした。
デジタルツールを使うから成長できたというわけではありません。しかし、一人ひとりの特性に応じた形でわかりやすく伝えるための一端は担えているかもしれません。
いつも書かせていただいているようにデジタルとアナログを見極め、長い二学期に子どもたち一人ひとりの確かな成長を一つでも増やせるように努力していきたいと思います。
郡司 竜平(ぐんじ りゅうへい)
北海道札幌養護学校 教諭
小学校支援級、通常級と担当させていただき、現在は札幌養護学校小学部にいます。ここでは、私が取り組んでいる特別支援教育におけるICTの活用について具体例を交えながらご紹介していけたらと考えています。
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