今回のつれづれは、「特別支援教育をもっと勉強したい!」という方への私なりの意見です。
一般的には「特別支援教育の研修会に参加したら?」「専門書を読んでみたら?」「研究会に入ってみたら?」と、勉強するためには、いろいろなアプローチがあります。
しかし、私は「特別支援教育」というジャンルだけに、ディープにはまりこんでいくことには抵抗感をもっています。それは「木を見て森を見ず」的な思考になりやすいからです。
学校の教師は、やはり広い知見が必要です。
そこで、本屋さんで「特別支援教育」の棚には置いてない、でも特別支援教育のヒントになるような異種の本をご紹介します。
要は、特別支援教育を学ぶということは、その人に合った教育法を探るということです。
あの子にはこれが有効かも! 私にはこれが有効かも! ウチの学級にはこれが有効かも! ウチの学校にはこれが有効かも! という視点で本を読んでいくことが、特別支援教育を学ぶ一番のポイントだと思います。
どんな本でも「特別支援教育」の視点をもって読めば、何かしら得るものがあるのかもしれませんね。私のオススメの本と、どんなことが書いてあるか一文だけ載せますので、「これは有効かも!」とピンときたら是非、読んでみてくださいね。
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成毛眞『本は10冊同時に読め』三笠書房 2008年
「何冊もの本を並行して読むと、短い間にその本の趣旨や世界観をつかもうとするので、必然的に集中力が高まる。」
横山泰行『のび太という生き方』アスコム 2004年
「しずかちゃんをのび太が射止めた理由。どんなに能力が優れていても、周囲の人たちの気持ちに配慮できる思いやりや優しさ、柔軟性が重要。」
諸富祥彦『生きる意味』 KKベストセラーズ 2010年
「いまの子どもたちにストレスが溜まるのはなぜかというと、緊張が与えられすぎているからではなくて、緊張する場面が少なすぎるので、そのことが逆にストレスを大きくしている。」
島宗理『人は、なぜ約束の時間に遅れるのか』 光文社 2010年
「行動が維持されるためには、行動は毎回強化されなくてもいい。一度身についた行動は、ときどき強化されるだけでも維持される。」
鈴木文治『排除する学校』 明石書店 2010年
「支援教育・・・障害児教育の理念や手法で通常の教育を改革する。通常の教育の課題を障害児教育の視点から見直すこと。」
渡邉美樹・野村克也『これだけで組織は強くなる』 角川書店 2010年
「すべての教育はオーダーメイド。叱られて伸びる人もいれば、褒められて飛躍する人もいる。」
上阪徹『600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス』 角川SSコミュニケーションズ 2009年
「13文字を超えると可読性が下がり、24文字を超えるとさらに下がる。」
中西輝政『本質を見抜く考え方』 サンマーク出版 2007年
「考えるということの一番わかりやすい作業は、「言葉にする」こと。」
滝川洋二編『理科読をはじめよう』 岩波書店 2010年
「本の内容に即した実験や工作を、読み聞かせと一緒にやってあげればよい。」
二神能基『勝ち負けから降りる生き方』 東洋経済新報社 2009年
「自立の第一歩は『他人に頼ること』」
平田オリザ・連行「コミュニケーション力を引き出す」 PHP研究所 2009年
「本当の『コミュニケーション力』・・・特殊な局面(時間が限られているとか、組織内の権力構造が強いとか、パニック状態とか)でも、きちんと相手の気持ちを慮って、自分の意思をうまく伝えられる力。」
ちなみに・・・私の読書記録ブログです。よろしければお越しください。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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