2012.07.12
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子どもの頭の中を数字が駆け巡る ~計算ビンゴ~

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

  

 

今回は、私がよく行う「計算ビンゴ」の紹介をします。
 
 
上の写真が「計算ビンゴ」用紙です。
エクセルで簡単に作れるものです。
 
上部には、1~25までの数字を適当に入れます。
25マスあるので、1~25までの数字を一回ずつ入れます。
下部の線には、計算の式を書きます。
 
ここまでが準備です。
 
これから、ゲームのスタートです。
 
まず、教師が1つの数字を示します。
写真の例では、「15」としました。
真ん中の写真のように「15=」と書き、子どもは計算で「15」になるものを考えます。
写真の例では、「15=1x15」にして、「1」と「15」を消しました。
計算によっては、それ以外の消し方もあります。
例えば、3x5、1+14、25-10、・・・・・、とてもたくさんの組み合わせがあります。
その中の1組を選び、子どもは数字を消します。
この時、ポイントはビンゴになりやすいように「縦、横、斜め」にならんだものを消すとよいことです。
だから、写真の例では、斜めをねらって「1」「15」を消しました。
 
ほどほどの時間の後、2つ目の数字を提示します。
写真の例では「16」です。
この場合、2x8もできますし、12+4もできます。
しかし、賢い子どもは、右の写真のように「21-6」を見つけ出します。
これで、「リーチ」です。
 
2回、3回と取り組んでいくと、多くの子どもは慣れてきます。
そして、私が数字を言ってもすぐには書き込まないようになります。
ビンゴの表の数値を見つめながら、だまっています。
「ダメだー!」とか「おおーー!」などの声をあげている子どもも見られます。
 
そういった状態の子どもは、頭の中で、何度も何度も暗算をしています。
もし「15」という数値が指定されたとしたら、自分のビンゴの表をにらみながら、どうすることが最も得なのかを必死で計算してます。
少なくとも10回はやっていると思います。
さらによい物はないかとずっと探し続けます。
「そろそろ次に行くよー。」という私の声で、それまでで最も得をする組み合わせの数字を消します。
 
 
やり方は色々あります。
慣れてくると私は、「3個の数字を使うこともあり」という方法にします。
「15=10x2ー5」で10、2、5を消すことができるというルールです。
うまくやると2回目でビンゴになります。
 
こうやっていくとすぐにビンゴになってしまうので、「早くビンゴ賞」(普通のビンゴと同じです。)だけでなく、「できるだけ多くビンゴ賞」なども設けます。
最終的にどれだけ多くのマスを消す、もしくは多くのビンゴになっていることを目指します。
 
 
計算ビンゴを1時間取り組むと子どもはぐったりするほど疲れます。
通常の授業の何倍も頭を使うのでしょう。
子どもの脳が疲れるほどの学習はなかなかできません。
 
ぜひ、やりやすいやり方で試して見てください。
 
この計算ビンゴは、7月6日のつれづれ日誌に岡山県の松森先生が書かれていた「楽しみながら」というものを具体化したようなものです。
子どもが勉強させられている(計算問題を解かされている)という思いよりも、「楽しさ」や「夢中さ」が上回っているのだと思います。
 
 
 
ビンゴ用紙を私のHPにアップしておきます。
興味のある方はご覧ください。

 

夏休みがもうすぐです。

皆さん、もうひと踏ん張りがんばりましょう。

体を大切に!! 

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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