2012.06.28
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クラス全員で作った詩 「生きていること」

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

前回、「命の過去・未来」についての授業について書きました。

今回も、命に関する授業について書きたいと思います。

 

まずは、授業の流れなどについて説明します。

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対象学年 小学校4年生

1. かけがえのない命 4月26日 教科:道徳(1時間)

2. 生きていること  4月27日 教科:国語(1時間)

単元の目標

「自分自身を見つめることに重点を置いて,命の大切さについて考える。」

 

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1. かけがえのない命(1時間) 

(1)ねらい

自分の命がかけがえのないものであることを感じることができる。


(2)流れ

乳児死亡率(1歳になるまでに亡くなってしまう割合)について知る

・国による違い(日本:0.3% シエラレオネ:18%)

・日本の時代による違い(2006:0.3% 1970:1.3% 1950:6% 1920:17%)

 幼児死亡率(5歳までに亡くなってしまう割合)について知る

・シエラレオネ 32%(約1/3が死んでしまう,日本の約80倍)

・日本 0.4%

自分の命について考える。

 
(3)ポイント

生きていられることを大事にする気持ちを持たせたい。

日本の恵まれている状況をイメージとして捉えさせたい。

子どもにとって感覚的・視覚的に理解できるように図(人型)を用いる。

 

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2. 生きていること(1時間)

(1)ねらい

それぞれの子どもが生きていることとはどういうことなのかについて考え,それを詩にすることで,生きていることの多様性,一体感を感じ,生きることに対して前向きな気持ちを持つ。


(2)流れ

それぞれの子どもが生きていることとはどういうことなのか考える。

「生きているとは○○○○」という形の文にまとめる。

出来上がったものをつなげ,クラス全体で「生きていること」という題の詩にする。

感想をまとめる。


(3)ポイント

生きていることは,人それぞれに捉え方が違うものである。

色々な考え方を一つに集めることで,「生きていること」の多様さに目を向けるとともにクラスとしての一体感を持たせたい。

多様な考えを出すことができるよう,はじめにいくつか例示をする。

 

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以上のような流れで取り組みました。

 

最後にクラスの全員で作った詩を紹介します。

 

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「生きていること」

 

生きているとは、神様がさずけてくれたもの

生きているとは、命があること

生きているとは、生まれてきていること

生きているとは、心ぞうが動いていること

生きているとは、さんそをすっていること

生きているとは、自分がこの世にいること

生きているとは、息をしていること

生きているとは、息が動いていること

 

生きているとは、この世に立っていること

生きているとは、人が地上で歩いていること

 

生きているとは、生活をしていること

生きているとは、体があるということ

生きているとは、体がぜんぶ動いていること

生きているとは、目が見えること

生きているとは、物が見えていること

生きているとは、物が見えるということ

生きているとは、色々なけしきが見えること

生きているとは、物が作れるということ

生きているとは、助けがあること

生きているとは、ささえがあること

生きているとは、ものを食べられること

生きているとは、え顔があること

生きているとは、しゃべっていること

 

生きているとは、心があること

生きているとは、心が動いていること

生きているとは、感じられることができること

生きているとは、いたいと思うこと

生きているとは、ないたり、楽しんだりすること

生きているとは、喜怒哀楽があること

 

生きているとは、頭を使うこと

生きているとは、勉強ができること

生きているとは、答えが分かること

 

生きているとは、自由だということ

 

生きているとは、みんな、ちがっていること

 

生きているとは、命を子供に伝えること

 

 

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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