2012.06.06
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「創造の舞台~美しき越の国」へどうぞ

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭 岩本 昌明

今回は、文化部のインターハイ(?)とも
言われている。第36回全国高等学校総合文化祭
についてご紹介させていただきます。
 

8月8日から12日に富山市をメインに県内市町村を
会場に開催されます。


特別支援学校も協賛部門として、このイベントに
参加いたします。(プログラムの最後の方に掲載されているのがちょっとさみしいですが)
8月8日から11日まで富山県民共生センター(サンフォルテ)
を会場にして催しが行われます。


昨年は震災がありましたが福島県で開催されました。
来年は長崎県で開催が予定されています。

私は、3年前から協賛とはいえ特別支援学校が
この大会に参加するために学校の係として携わっています。
まずは生徒らが主役としていい思い出になることを願い、
他の高校生との交流の機会が演出出来ること、
そして富山県内だけでなく、全国からもできるだけ
多くの方に富山へおいでいただくことも願っています。

上述のサイトの中の開催要項には次のような趣旨が掲載されています。
「高等学校教育の一環として、高等学校生徒に芸術文化活動の場を提供することにより、
芸術文化活動への参加意欲を喚起し、創造的な人間育成を図るとともに、
芸術文化活動を通じて、全国的、国際的規模での生徒相互の交流・親睦を図る。」

全国規模の高校生の大会は平成6年に全国高校総合体育大会
を経験いたしました。私は別の高校で当時陸上の顧問として
また日本陸連の審判として大会運営に関わっていました。
全国から集うトップレベルの選手との交流や、
その存在そのものに衝撃やら学ぶ機会を与えられたことを、
今でも覚えています。

今回の富山での全国レベルの文化的イベントが県内高校生の
感性に何かしらの種を落としてもらえることを期待しています。
そして現在の県内の高校生(中学生も含め)が、何年かして
「自分が高校生の時の大会が現在の文化活動の原点やきっかけになっている」
と振り返ることができる人が一人でも将来でてくれたら嬉しいと思います。

私は、県内の特別支援学校の高等部の生徒が中心になって
この全国規模の大会に参加できることを大変うれしく思っています。

富山県の認知度を高めるためにもこの大会の成功を
願っています。

「富山県の認知度」というと大学時代の家庭教師のある場面をいつも思い出します。
「岩本と申します。私は富山県出身です。富山県ってどこにあるか、知っていますか」
こう自己紹介をしました。
その生徒からの返事は「分かりません。栃木県か群馬県の上の方ですか」
のようなものだったと思います。
今から30年ほど前のことです。
とてもショックを受けたことを覚えています。
実は、同様のことを埼玉県で採用されて最初の授業で出身地を自己紹介したときの
生徒の反応でも経験しました。
関東の高校生には当時は、富山は余り興味関心の高くない県だったのでしょうか。
(今も同じ状況だったりして)(トホホ)。

現在では「とやま」は少し認知されてるように変わってないでしょうか。
立川志の輔、柴田理恵、室井滋、西村雅彦、藤子・F・不二雄、野際陽子などいらっしゃいます。
wikipediaには、芸能人以外に文化人など非常に多くの方々が紹介されています。
「富山県出身の人物一覧」

さて、特別支援部門では、美術作品での参加とステージでの参加を通して、
この大会を盛り上げることになっています。
今まさに本番を迎えるために、生徒らはギア―を切り替えようとしています(私も)。

美術作品では、県内に13ある特別支援学校(国立、県立、市立)が、
会場の中にある展示スペースに生徒の立体作品を飾ります。
視覚総合支援学校は「まるごと富山」というタイトルで、
四季に応じた富山をイメージした作品を現在制作中です。
見るだけでなく触って楽しんでいただけるような工夫を入れています。
(乞うご期待)

ステージでも、各支援学校が持ち味のある発表をすることになっています。
本校は富山聴覚、高岡聴覚、富山総合支援学校の3校と合同で手話コーラスをするために、
これから合同練習会などが予定されています。富山といえば「○○」「△△」
というキーワードを手話でどのように表現するのかを、
支援学校の生徒らがクイズ形式で演じてくれる予定になっています。
読者のみなさんは「とやま」と言えばどんな言葉が思い浮かぶでしょうか。
富山県人としては、『ホタルイカ』『越中おわら』『五箇山』
などが出てくることを期待しています。手話でどのように表現するのか分かりますか。


蛇足ですが、先日開催された会議で、この大会を県として盛り上げようと、
目立たないところで応援していることが教育委員会の担当者から紹介されました。
環水公園の環境整備、松川ぞいの除草および防虫駆除など県や富山市の行政からも支援を受けています。
改めて多くの方々にこれを機会に高総文祭にそして富山へおいでいただき、富山を楽しんでいただければ幸いです。

全国からはもとより、私も一人でも多くの高校生や県民の方々が、会場に足を運んでくださり、
支援学校の生徒の取り組みに理解をしていただき感動や、新たな出会いや発見につながり
「創造の舞台~美しき越の国」となることを願っています。

夏のご予定に富山への旅行はいかがですか。

失礼いたします。

 ※当記事の情報は、公開当時のものです。

 

岩本 昌明(いわもと まさあき)

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭
視覚に病弱部門が併置された全国初の総合支援学校。北陸富山から四季折々にふれて、特別支援教育と英語教育を始め、身の回りに関わる雑感や思いを皆さんと共有できたらと願っています。

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