タブレット端末はいろいろな種類が出されています。
そしてこれからもいろいろな新型が出てくるでしょう。
その都度、その機能から考えられる学習効果を考えながら地道に実践を積んで子どもたちに寄与していきたいと思います。
様々な機種がある中で私の周辺ではiOSを載せた端末を利用している人が圧倒的に多いのが現状です。
先日、校内でタブレット端末を指導に活用している仲間が集まり情報交換をしました。同好会形式でざっくばらんに情報交換を行うのがメインの活動です。
「iSTY」 i-SATUYOU、iOS端末を活用している札幌養護学校の仲間の集まりです。
「PCではなくて、なぜタブレットを活用するの?」
という話題になりました。そこで出てきた意見の中では、「起動の速さ」が一つ大きな要因として挙げられていました。これは特別支援教育では大きな要因になると私も考えます。起動している時間を待つ間に違うことに注意がいってしまったり、起動を待つことが難しかったりすることが予想されるからです。実際に今までPCを用いて視覚的な提示を行っていた時にこれは課題の一つでありました。この課題はiPadによりほぼクリアーになったのではないかと私は感じています。子どもたちがストレスなく機器を使い始めることができるようになりました。もちろん、私たちも。
もう一つ挙げられていたことは、「タッチパネル」ですね。これはマウスを操作したり、キーボード入力していた時と比較すると大きな差です。
いろいろな意見が出ましたが、大きな要因として考えられるのはこの二点ではないでしょうか。さらに他に皆さんのご意見も聞いてみたいところです。
さらに突っ込んで考えるといろいろなタブレットがある中で「どうしてiOS端末をセレクトしているのか」ということがあります。これは同好会では議論になりませんでしたが。
(なぜなら、みんな同じiOS端末を利用しているからなんですが)。
私が考えるメリットは
1 操作性
2 セキュリティー
3 シームレス
ではないかと考えています。操作性は個人の感覚によるところが大きいのかもしれませんが、他の端末に比べるとやはりシンプルでわかりやすいのではないでしょうか。このシンプルさは、子どもたちが操作し始める時に一番感じています。すぐに使えるようになるんです。
ここが他との一番大きな違いです。
指導する教員にとっては、学習の中でPCやタブレット端末を効果的に活用しようと計画した場合に、まず子どもたちに操作の基礎を教える学習を組み込まなければならないでしょう。そのために指導する教員にも操作のスキルが求められます。PCの場合にはコンピューター室などで一斉指導する際にはその教室の一斉指導用のシステムも理解して、操作できなければなりません。
誤解を恐れずに言うと、極端な話、この過程がある程度省略することができるのではないでしょうか。
もちろん、教員ですから指導するための専門性は持ち合わせていることが大前提ですが、タブレット端末の操作性を考えた場合にこの部分にかかる負荷が教員も子どもたちも少ないのではないだろうかと私はみています。そして、さらにiOS端末のシンプルさはこの負荷をさらに少ないものにしてくれているのではないかと思います。
二つ目は、セキュリティーの問題です。windows端末、アンドロイド端末と比較するとここに関わる負荷も少ないものと思われます。もちろんゼロではありませんので、常に意識しておく必要はあります。個人情報の保護等が厳しく問われる現状では、この問題も外せない要素となっているのかもしれません。
三つ目は、シームレス(シームレスとは継ぎ目のないこと、ユーザーが複数のサービスを統合して利用できること)であること。
今、私はこの三つ目を一番メリットとして感じています。3つの異なる端末で同じアプリを活用できたり、同じデータを取り扱うことができることは言葉で見るより実際に活用する上では雲泥の差があると思います。
いまは他の端末などでもクラウドサービスなどを活用してデータの共有などができるようになってきましたから、今後このメリットはさらに大きくなるものと考えています。
二枚目の画像は同好会の最後に即興のアプリプレゼン会になった時のもの。みんなが今使っているアプリの機能を実際に見ながら、そして実際に自分の端末で操作しながら情報の交換をしました。
端末のセレクトなどについては、まだまだいろいろな意見があると思いますし、違う活用の仕方もありますので、またみんなで勉強しながら進んでいこうと思います。
追伸
私は決してapp○e社の営業マンではありませんので。あしからず。
郡司 竜平(ぐんじ りゅうへい)
北海道札幌養護学校 教諭
小学校支援級、通常級と担当させていただき、現在は札幌養護学校小学部にいます。ここでは、私が取り組んでいる特別支援教育におけるICTの活用について具体例を交えながらご紹介していけたらと考えています。
同じテーマの執筆者
-
京都教育大学付属桃山小学校
-
福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
-
東京都立白鷺特別支援学校 中学部 教諭・自閉症スペクトラム支援士・早稲田大学大学院 教育学研究科 修士課程2年
-
東京都立南花畑特別支援学校 主任教諭・臨床発達心理士・自閉症スペクトラム支援士(standard)
-
富山県立富山視覚総合支援学校 教諭
-
東京学芸大学教職大学院 准教授
-
東京都立城北特別支援学校 教諭・臨床発達心理士
-
福島県立あぶくま養護学校 教諭
-
元徳島県立新野高等学校 教諭
-
東京都立港特別支援学校 教諭
-
栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
-
京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会
-
大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
大阪市立放出小学校 教諭
-
福生市立福生第七小学校 ことばの教室 主任教諭 博士(教育学)公認心理師 臨床発達心理士
-
長野県公立小学校非常勤講師
-
浦安市立美浜北小学校 教諭
-
信州大学教育学部附属特別支援学校 教諭
-
在沖米軍基地内 公立アメリカンスクール 日本語日本文化教師
-
東京都東大和市立第八小学校
-
静岡市立中島小学校教諭・公認心理師
-
寝屋川市立小学校
-
目黒区立不動小学校 主幹教諭
-
尼崎市立小園小学校 教諭
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)