2012.05.03
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小さな種から大きな楽しみを

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

   

 

先日、アサガオの種を蒔きました。

写真を撮ったので紹介します。

左の写真のフェンス一面にアサガオの花が咲く予定です。

クラスの子どもと栽培委員会の子どもで、約500個の種を蒔きました。

たくさんの芽が出て、たくさんの花が咲いたらうれしいです。

地域の方もたくさん通る道なので、地域の方もその花を見て、喜んでくれるはずです。

  

真ん中の写真は、昨年咲いたブルーサルビアの根元から新しい芽が出てきたものです。

夏から秋にかけて、ブルーサルビアはきれいに咲きます。

枯れてしまったと思っていた根元から新たな芽が出てきています。

今年もうまく咲いてくれることを願っています。

 

右の写真は、分かりにくのですが、中央にコスモスの芽が写っています。

早咲きのコスモスです。

通常のコスモスは夏至を過ぎてから花をつけるのです。

早咲きのものはそうではなく、6月くらいから花をつけるようです。

この小さな芽が大きく育つことを願っています。

 

今回紹介したように、植物に関わると、ワクワクすることが多くなります。

今の時期、私は、毎日、新しい芽が出ていないかとワクワクしながら、学校へ行きます。

学校中に、子ども達や私が蒔いた種がたくさんあります。

この種まきが子どもが学校に行く楽しみの一つになってくれたら嬉しいと思っています。

 

ところで、子どもが学校に行く時に抱く楽しみには色々なものがあります。

・給食が楽しみな子ども

・体育が楽しみな子ども

・友達と遊ぶのが楽しみな子ども

・運動会が楽しみな子ども

・勉強が楽しみな子ども (こういった子どもがたくさんになるとうれしいのですが・・・)

 

種を蒔いたり、苗を植えたりということは、子どもに楽しみを与えます。

植物に水をあげながら、種まきなどは、上で書いたような楽しみと少し違うことに気づきました。

それは、割と中長期的に継続的に楽しみを抱くことができるということです。

楽しみの大きさは小さいかもしれませんが「じわじわじわじわ」とうれしさ、楽しさが継続します。

 

昨年度、クラスの子ども達と果樹を植えました。

リンゴ、ナシ、サクランボ、カキ、ラズベリーの5種です。

学校というアクシデントの多い場所に植えていることもあり、ダメになってしまったグループが1つあったのですが、その他のグループの木は元気に育っています。

果樹は、子どもにとっての楽しみが半永久的に続きます。

私が今いる学校は、都市部の学校ではないので、将来的に今の場所に住んでいる子どももたくさんいることが予想されます。

将来、自分の子どもが自分が卒業した学校に通うという可能性も十分にあります。

20年後、30年後、今植えた木は、大きく育っていることでしょう。

たくさんの果実を実らせているかもしれません。

自分の子どもの授業参観に来た時に、数十年前に自分が植えた木を見ることができたとしたら、こんな素敵なことはないと思います。

こんなことを想像するだけでわくわくしてきます。

左の写真のフェンスに朝顔が満開になっていることを想像すると、同様にわくわくします。

 

将来への楽しみとは、「希望」であると思っています。

それは、短期的なものもありますし、長期的なものもあります。

 

「希望」があれば、人は頑張れることができるのだと思います。

3.11の後の被災地の、日本中の、そして世界中の人々の姿を見て、そう思いました。

 

どれだけ、自分の人生において、楽しみを見出すことができるかが大事なのだと。

 

子どもに、植物と接することの中で、そんなことを感じてもらえたら嬉しいと思っています。

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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