数年前に設立された「教職大学院」。私は今年1年、現場の小学校を離れ、ここで学ぶことになりました。
教職大学院とは、どのような学びをする場なのか、という事に関してはご存じない方が多いかと思います。私も、実際に入学して、ようやく全容がわかってきました。
私の通う教職大学院は、大きく分けて次の3つの学びを行う場であります。
(1)いわゆる「授業」
これは大学の学部での授業と同じようなものです。
「カリキュラム開発の方法」
「現代教育ニーズの対応」
「教育プログラムの開発と運営」
「学校組織マネジメント」
これは授業科目名の一例です。共通科目や選択科目があり、だいだい90分の授業を、週に10コマくらい受講します。
授業の特徴としては、「協働」という視点を授業に取り入れることです。たとえば、グループミーティングやワークショップなど、講義だけではなく、学生が主体的に関わる授業が多いです。
(2)いわゆる「研究」
自分で学校現場での課題を見つけ、テーマを決めて、実証的な研究をします。
「学校支援ボランティアの活用 ―地域支援コーディネーターの活動を通して―」
「小学校から中学校へなだらかにつなげる体育指導に関する基礎研究―ソフトバレーボールからバレーボールへの移行に着目して― 」
「小学校国語科におけるユニバーサルデザインを目指した文学作品の指導」
これは先輩方が行った研究の一例です。やはり研究をするからこそ、大学院での学びの価値があるのかなとも思います。
(3)いわゆる「実習」
大学で行われる教育実習は、4週間程度続けて学校現場に行くことが一般的ですが、ここでは週に1回、年間を通じて実習校へ行くようになっています。私でしたら昨年まで勤務していた学校にて研修を行います。担任や校務分掌には属してませんので、授業観察をしたり若手教員へのアドバイスをしたり、学校勤務の時よりは余裕を持って(!?)学校現場に携わることができます。
まさに、理論と実践を融合させる場であります。
何より私は学校現場を経験して、そしてまた学び直すということが、とても楽しいと感じています。
やはり、私たち教師は「学びのプロ」でもありたいものです。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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