そろそろ次年度に向けて、動き出す時期ですね。この春より、特別支援学級に配属となる先生方も多いかと思います。
「特別支援教育にチャレンジしたい!」
「希望はしていなかったけど・・・」
いろいろ特別支援学級に配属となる理由はあっても、スタートすれば、そんなこと言ってられない日々がやってきます。
特別支援学級のかわいい子ども達が待っています!
そこで、今回は、特別支援学級に新たに配属となる先生方へ、2点のアドバイスを、私から期待を込めて贈りたいと思います。
(1)「特別支援のことはよくわかりませんが・・・」
職員顔合わせ、保護者会、歓送迎会・・・なにかと自己紹介をする場面が多いですね。
教職経験ベテランの先生でも、初めて特別支援学級の担任をすることとなれば、不安いっぱいな気持ちになることでしょう。そこで、どうしても自己紹介で出てしまうこのフレーズ。
職員間の挨拶では謙虚さが伝わって、好感を持たれるかもしれませんが、同じ感覚でこのフレーズを保護者会や、学級のおたよりなどに使ってしまう先生がけっこういます。
保護者の立場になって、考えてみたらいかがでしょう?
不安にさせるだけですね。
特別支援学級は、通常の学級以上に、保護者との関わりが濃密になります。ファーストコンタクトが、その後の人間関係に大きく影響を及ぼしますので、保護者の前では演技でも堂々と、前向きなコメントを心がけましょう。
(2)書店の学習参考書コーナーは使える!
熱心な先生は、特別支援教育の何から勉強したらよいか悩んでいることでしょう。
正攻法であり、手っ取り早いのは、やはり関連書籍を読むことですね。
書店に行ってみてください。今や、書棚の1つや2つ、特別支援教育関連の本で埋め尽くされていますから。
でも、私のオススメは、「特別支援教育本」ではなく、学習参考書いわゆる「学参」コーナー。特別支援学級担任にとっては、宝の山です。
その中でも、特にオススメなのが、いわゆる小学校お受験コーナーです。
小学校受験のドリルや問題集は、言葉や数の基本的な学習が網羅されています。まだ、通常の小学生の教科書レベルに対応できない子ども達には、ちょうどいい教材となります。
また、漢字や計算のドリルや問題集も、よく各社の物を比較してみてください。
レイアウト、色遣い、マス目の大きさ、同じ文字を何回繰り返して書くか、イラスト・・・対象となる子どもにとって使いやすいドリルや問題集がきっとあるはずです。
ひとりひとりの特性に応じるのが、特別支援学級の肝ですので、まずはそういった視点で、ドリルや問題集を選んでみてください。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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