あと数日で、今年度が終わります。
この一年間が、皆さんにとって学びの多い年であったらと思います。
さて、私のクラスでテストについて次のような話をします。
100点:よくがんばりました。油断をしないように。
90点:がんばりました。細かい部分の見直しを忘れずに。
60点:よかったです。理解できていないところが1/3位見つかりました。
40点:とてもよかったです。このテストをしなかったら、間違えを見つけられませんでした。
しっかりと復習をすることで力が付きます。
悪い点ほど、「よかった。」という話です。
悪い点を取ると、恥ずかしさなどから、全体での答え合わせや直しの時に、隠してしまい、ちゃんと直しをしない子どもをよく見かけます。
それでは、テストの効果が半減されてしまいます。
だから、悪い点ほどよかったということを伝えます。
子どもが持っているテストに対しての考え方を少し変えます。
そうすることで、テストの効果が高まります。
テストに関する勉強は、「テストまでの勉強」と「テストの後の勉強」の2種類があります。
「テストまでの勉強」をしっかりやった子どもは、よい点が取れます。
「テストまでの勉強」をしっかりとやれなかった子どもは、よい点がとれません。
やっていなかった分を後でしっかりと勉強するのです。
どちらの勉強も大事なのだと思います。
ところで、私は、テストで悪い点をとるような学力下位の子どもをきちんとフォローすることがとても大事なのだと思っています。
学力上位の子どもは、少し荒っぽい言い方をすると、放っておいても、勉強ができます。
家庭学習の習慣はできているでしょうし、理解するための基礎学力もあることが多いです。
しかし、下位の子どもは、放っておいたら、坂道を転がるように落ちていってしまう可能性があります。
下位の子どもは、家庭学習の習慣ができていなかったり、基礎学力がついていなかったりします。
そういった子どもに対して、丁寧に関わっていくことで、少しずつですが、よい方向へ向くことができます。
先ほど書いたテストの扱いについては、特に大事です。
悪い点数のテストの扱い次第で、成長もできますし、あきらめの気持ちになったりもします。
できていない部分を丁寧にフォローし、投げ出したりしないように心のフォローもします。
こういったことを積み重ねていくことで、少しずつ苦手な子どもの勉強への意欲が高まります。
もしきちんとフォローをしていかないと子どもが勉強を諦めてしまう可能性があります。
小学校3,4年生での算数などがそうです。
九九の不確実さから様々な支障が生じ、子どもが嫌になってしまうのです。
勉強が苦手な子どもに関わる際、大事にすることは、「諦めさせない」ということです。
気持ちが切れて、「もうやめた!」「どうせ、できないもん!」「おれは、ばかだから・・」となってしまったらおしまいです。
こういった子どもに対して、教師があらゆる手段を使って、関わっていくのです。
つい、教師も諦めそうになることがあります。
教師も粘り強く、諦めずに、子ども達と関わりたいです。
一気には、変わりませんが、やり方次第で少しずつ変えることはできます。
自分が関わっている子ども達の学びがさらに深まるようにと日々考えています。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。
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