先日、私のクラスの男の子が眼帯をして登校してきました。
柱に顔をぶつけてしまった野田首相と同じ様な顔です。
様子を聞いてみると、野田首相とは違い、遊びの中での怪我でした。
前の日の放課後、友達とエアーガン(空気銃)で遊んでいて、誤って眼にぶつかってしまったとのこと。
私の学校では、長期休業の前には児童指導の担当者が全校児童に向けて、遊び方の話をします。
その中にエアーガンについてのことも入っていました。
エアーガンで打ち合いをしたら、最悪の場合、眼にあたることは子どもでも十分想像ができることです。
痛い思いをしないと分からないのでは、困ります。
幸い、失明という状態ではないようですが、まだ違和感があるとのことでした。
小さな怪我(トラブル)を経験することで、大きな怪我(トラブル)を防ぐことができると考えています。
しかし、人生が変わってしまう程の怪我をしてしまっては、話は別です。
想像力が欠如した子どもは、怪我をしますが、大人の場合は、・・・ 最悪です。
この文章を書いている日には、放射性物質が含まれている石を使って作ってしまったマンションのことが話題になっています。
それに関する情報が出てくるのを見ていると、本当に呆れてしまいます。
なぜ、原発に近いエリアから建物の材料となるようなものを持ってきたのでしょう。
「危なそうだ。」ということは、小学生でも理解できます。
採石業者は、「建設当時、復興のために良かれて思ってやった。」とインタビューに答えて話していました。
聞いていて、本当に悲しい気持ちになります。
明らかに政治に関わる人たちの想像力の欠如だと思います。
人の想像力に関して2つのことを思います。
1つ目は「人が想像できるものは、実現可能である。」ということです。
火星に日本人を送る計画を立てているというニュースを見ました。
素人の考えでも、なんとなくできそうな気がします。
現在の復旧・復興、そして、将来の社会に関しても、大きな希望を持つことができます。
もう1つは、「人は想像にふたをすることができる。」ということです。
「想定外」などは、まさにその通りです。
自分の都合が悪いことは、考えるのをやめてしまう。
「多分大丈夫だろう。」「まあ、いいや。」などの発想です。
今回の石やコンクリートに関しても、担当省庁は、いくつかのサンプルを検査をして、問題がなかったので、大丈夫だと判断したとのことでした。
あまりにひどすぎます。
学校で、日々、子ども達にしっかり考えることを求めます。
しっかり考えられる人間を育てていかなくては、将来は危うくなると思っています。
教育に関わるものとして、大きな責任を感じます。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。
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