読書の秋ですね。
私の勤務する東京都江戸川区では「読書科」を新設する方向を打ち出しています。区をあげて「読書大好き」な子どもを育てようということです。本校も、保護者ボランティアによる読み聞かせやお話会、または6年生が1年生や特別支援学級の教室へ交代で出向き読み聞かせをするなどの読書活動を盛んに行っています。
さて、子どもの読書の効能は言うまでもありませんが、私たち教師はどうでしょうか? 子どもたち以上に読書してますか?
「忙しくて本など読んでいる暇がない!」という嘆きが聞こえてきそうですね。「時間さえあれば、読みたいんだけど・・・。」
数年前、訳あって私は「1か月で100冊のビジネス書を読む」というトライをしました。
しかも一年のうちで最も多忙な年度末の3月という時期に。
可能なトライ? それとも無謀な計画?
1か月100冊ということは・・・単純計算で1日3冊読むペースが必要で・・・1冊に1時間かかるとして、1日に3時間必要になる・・・1冊はだいたい200ページあるから・・・1時間で読むには、30分で100ページ・・・5分でだいたい15ページくらい
と、ゴールから逆算の思考をして、具体的な到達目標を細かく考えました。
結果として(苦しみましたが)、1カ月100冊読書、達成することができました!
私がこの100冊読書で身につけたこと・・・もちろん知識も得ることができましたが、何より後々まで役に立っているのは時間管理の技術です。
誰しも、1日24時間は、神様から平等に与えられた時間です。教師という仕事は、みなさん身をもって感じているように多忙な職業です。どんなに忙しくて時間が欲しくても、1日は24時間しかないのです。
そこから1日3時間もの時間を読書のために捻出すること、そして、1時間で1冊を読破するという与えられたタスクをこなすこと。これを1カ月続けたことで、自分なりの時間管理のスキルが鍛えられたのです。
本を読むということは、自分の大切な時間を作るということなのですね。それでいて、知識も高まる。教師にとっても読書の効能はおそるべしです。
それでは、私が実践している「増田式読書勉強術」をご紹介します。
ルールは3つです。
○読んでいて、「これは大事!」と思ったところに付箋を貼る。
○付箋は1冊につき8か所まで。たくさん貼ってはいけません。
○読後に、付箋を貼った個所を、写真のようにノートに写す。使っていいのは、見開き1ページだけ。
付箋8か所というのが、経験的にちょうどよい量で、私のこだわりどころです。もし、1冊を最後まで読むことが苦痛なら、付箋8枚貼ったらそこで終了してもよいと思います。もったいないことではなく、これだけでも新しい知識が8個もインプットされたことになるのですよ。当然、読まなければ0個ですよね。
ノートを取ることで、後で見返すこともできます。これだけ新しい知識を仕入れたんだという達成感にもつながりますね。
この勉強法を続けていくと、1冊の本から自分が必要としているトピックスが自然と目に入るようになっていきます。また、どの情報が自分にとって大事か取捨選択する力もついてきます。
是非、お試しください!
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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