今回から執筆させてもらうことになりました。よろしくお願いします。
小学校の教員になって17年目。横浜の小学校で14年、埼玉の学校に移って3年目です。大学では、理科教育を専攻し、小学校の現場に来てからは体育を中心にやってきました。埼玉の学校に移ってから、理科を担当しています。そういった経緯から、理科と体育を関連させたようなことに関心を持ち、色々な実践を行っています。具体的には、体育寄りですと、「鬼ごっこを用いた体力作り」、理科と体育の中間ですと、「命を大切に思う子どもの育成」、理科寄りですと、「競争的学習を用いた理科学習」などです。実践をまとめたホームページがあります。興味のある方は、ご覧ください。
今回は、「ほめること」について書きます。
育児雑誌や教育書には、よく「子どもは褒めて育てるとよい」と書いてあります。しかし、現実的にはなかなかそうはいかないことが多いです。学校で見ていると若い先生ほど、なかなか上手に褒められていないように思います。
褒めるには、ちょっとしたコツがあります。
それは、「褒めることのできる状況を教師が意図的に作り上げてしまう」のです。仕組んでおくという言い方でも良いかもしれません。教師が意図的に子どもを褒めることができるような状況を作り、そして子どもを褒めるのです。
ある特定の子どもを褒めたいのであれば、全体指導する前に、その子どもに目立たないように声掛けをしておくなどして、褒めることのできる状況を作っておきます。例えば、授業が始まった時点で、褒めたいと思っている子どもがちゃんと道具の準備ができるように声掛けをします。準備ができているのを確認した上で、道具の準備について全体指導をします。そして、全体指導の中で、褒めたい子どもをよくできている例として取り上げ、皆の前で褒めるのです。
この方法は、普段、少しきちんとできていない子どもをきちんとさせていく時、特に有効です。何度も褒めて、褒めて、悪いことがしにくいような状況を作ってしまうのです。それまであまり褒められていない子ども程、褒められた嬉しさから、行動の変容が見られます。その行動の変容をまた褒めます。こうやって、子どもを「褒めのスパイラル」にのせてしまうのです。次第に、精神的にも安定し、行動も安定してくることが多いです。
ちょっとした教師の気づかいで、すぐにできます。是非やってみてください。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。
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