みなさん、はじめまして。
私は、東京都で特別支援学級の担任をしています増田謙太郎です。
教職15年目ですが、1年間に200日授業があると単純計算しても、もう3000日近くも子どもたちと向き合って仕事をしていることになります。実際には、昨日も今日も明日も、そんなに大きな違いのない、毎日の積み重ね。でも、だからこそ、一日一日を無駄なく大事に過ごしたいと思っています。
そのような毎日の仕事の中で、私の仕事をサポートしてくれるものたちを今回はご挨拶代りに紹介します。私は彼らのサポートなしには、一人前の仕事が成り立ちません。
バインダー
学校はとにかく文書やプリントが多い職場です。みなさんも「あのプリントどこいっちゃったっけ?」なんてことが多いのではないですか? ファイリングには時間と手間がかかりますし、人一倍に不器用な私はきれいにファイリングすることがとても苦手です。そこで手早く整理するためのグッズとして、私はバインダーを10個くらいデスクに置いています。大まかな用途別に(行事用、授業用、会議用など)ざっくりとプリントをまとめることができます。仕事のもちろん研究授業の参観のときにも、指導案や資料をまとめるのに大活躍です。
収納箱
教材やプリント、連絡帳に宿題など、気がつくと教室にある自分の教卓の上がごちゃごちゃに・・・そんなとき、A4サイズの収納箱に入れるだけでも、教卓がとても整理整頓されます。これも私の場合、5個は教卓に常時置いてあります。同じサイズのものなら、積み重ねておくこともできて便利です。
教室は、子どもたちが学習する大切な環境。特別支援教育では、余計な視覚的刺激を減らすことがよく言われています。まずは自分の教卓から、スッキリしましょう!
ハンドクリーム
教師は見られる仕事、そして触れ合う仕事です。特別支援学級では、子どもの手を取り、教えることもとても重要です。ですので、手や爪のケアは大事にしています。子どもは五感を通して学んでいきます。余計な刺激とならないような手の触感を目指していきたいですし、心地よい気持ちにお互いがなりたいものです。
3色のボールペン
赤・青・黒の3色です。赤はマルつけ用、青は連絡帳用、黒は事務用と使い分けています。研修会でも、大事なところのアンダーラインは赤、書き込みは青など、色を使い分けると自分自身の理解度がアップします。また、子どもにメモを渡す時も、何色かの色を使ってメモしてあげると見やすくなります。
どれも特別なものを使っているわけではありません。自慢できるようなものでもありません。でも、ひとつひとつ自分の苦手なところを補えるように、自分のやりたい仕事がスムーズに行えるように道具を工夫していくことが、スキルアップにもつながっていきます。
私は特別支援教育が専門です。特別支援教育の方法論のひとつは、「使える資源(人・物・場所)は何でも利用する」ことです。日々の仕事ひとつにしても、「自分自身への特別支援」を常日頃、意識しながら行っていく感性が、子どもたちへの特別支援につながっていくものと思います。
教師が多様な経験をしていないと、子どもたちに体験の価値を教えることができないとよく言われます。まさしくそれと同じです。自分自身への特別支援を! そして、子どもたちへの特別支援が自然にできるように。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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