2010.09.18
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つれづれ日誌号外! 〈発達のつまずき〉から読み解く支援アプローチ

東京都立港特別支援学校 教諭 川上 康則

学びの場.com読者の皆さん、大変ご無沙汰しております。都立港特別支援学校の川上康則です。つれづれ日誌の第1期~第4期、2年間にわたり、執筆陣の一人としてお世話になりました。

この度、当時の記事の中から、子どものつまずきの読み解き方に関する記事を選りすぐり、書籍にさせていただきました。

題して「〈発達のつまずき〉から読み解く支援アプローチ」。学苑社より、つい先日発売が開始されました。
http://www.gakuensha.co.jp/cn15/pg342.html

つれづれ日誌からの書籍化は初のケースとお聞きし、大変光栄に思っています。

第1期の執筆が始まった平成19年度は、「特別支援教育元年」と銘打たれた年でした。なるべく多くの方々の目に記事がとどまるよう、専門的な用語を使わずに身近な言葉で特別支援教育を語る、というのが私のスタイル(こだわり)でした。「あー、こういうことあるよね・・・」とか「こんな行動の背景に、こんなつまずきがあったのか・・・」といった受けとめ方をしていただくことが大切だと感じていました。

月曜日の正午が、つれづれ日誌の締切り日でした。月曜の出勤前に書き上げなければならないため、日曜日の深夜に追い込まれるようにしながら書いていたのを、昨日のことのように思い出します。

私の場合は、あらかじめこんなことを書こうという計画性が全くなかったため、ほとんどは、締切り直前のエピソードを中心に記事を書くことにしていました。教育現場での感動的なエピソードもありましたが、それ以上に悔しさや憤りに近い感情を抱きながら書くことが多く、それらの気持ちをストレートにぶつけることができたときほど、不思議とまとまった文章になったような気がします。後で読み返してみると、これは本当に自分で書いたのだろうか?と感じるほどです。

特別支援教育は、これまで当たり前と思われていた指導の考え方を見直し、“気持ちのリセット”を促すものだと思います。ところが、まだまだ教育現場では、子どものつまずきの放置、見過ごし、無理解、誤解の場面を目にすることが少なくありません。そうした現状を作り出している理由の一つに、子どものつまずきそのものが知られていないという背景があると思います

本書が、みなさんの子ども理解を進めるのに少しでもお役立ていただければ、心より嬉しく思います。
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川上 康則(かわかみ やすのり)

東京都立港特別支援学校 教諭
障害のある子どもたちの指導に携わる一方、特別支援教育コーディネーターとして小中学校を支援してきました。教育技術の一つとしての「特別支援教育」を考えていきます。

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