2008.08.22
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ア・ラ・カルテ-夏休みから考えてみたこと-

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭 岩本 昌明

夏の高校野球も終わり、北京でのオリンピックも終盤を迎えたとはいえ、多くの方はテレビにまだ釘付け状態でしょうか。感動的で劇的なシーンが多すぎて消化不良気味になるほど名場面が、テレビのブラウン管に映し出されています(まだ、地デジ対応のハイビジョンでないので)。

私は個人的に、「学校へ行こうMAX」8月12日と19日放映はお薦めだったと思います。『V6再会の旅』と題して、同番組で、数年前に登場した生徒・学生たちが、その後どのように変化しているかを取材編集したものです。V6との出会い(この番組の企画)によって人生が変わった学生に会いに行くという企画です。

安易な視聴者受けと感動を与えるための部分や、コミカルな場面もあり、厳しい見方をすれば批判されるところも多くあるかと思います。視聴率狙いの編集意図等を色々差し引いても、純粋に夢や努力は報われ、可能性を信じることで道は拓けるという部分で、シャンシャン的な番組になっていたと思えます。

特に私は、12日放送では、8年前に「未成年の主張」で屋上から叫んだ池田さんの「ありがとう」という一言が考橋君を変え、彼が現在小学校の先生になっていることや、いろいろな苦難を乗り越えバレエ一筋に青春を注ぎこんでいる少女と、19日の放送では、憧れの女子十二楽坊との共演を夢見た学生宮城君を扱ったものが印象に残りました。

さて、皆さんの一押しという番組は何でしょうか?

話は全く関係のないところへ飛びます。
日中は猛暑。そんな中でも元気に泣き続ける蝉たち。詳しくは生態を調べたわけではないのですが、セミは7年地中にいて地上では一週間しか生きられないと言われています。種類によって地中生活の長さは異なるでしょう。細かいことは横に置いておきます。この蝉の一生のサイクルは、私たち人間の持つ時間のサイクルと明らかに違います。蝉の周期と蝉が持つホルモンを調べることによって、昆虫からではありますが、何か成長のホルモンの神秘が分かるのではないでしょうか。これによって早く老化する病気(早期老化症)の、遺伝子レベルと異なる解法が見つかるかもしれません。
夏とまるっきり反対の冬を思い浮かべると、熊の冬眠がふと思いつきます。冬眠のメカニズムを使えば、人間も冬眠ができないでしょうか。人間が冬眠できることで何か有効でしょうか。体力の消耗を少なくすることが可能になり、もしかしたらエネルギー消費が少なくても生活できることになるのでは。ダイエット研究に一役買うことが可能なのかもしれません。

現在、恥ずかしながら視力低下と虫歯に悩まされています。広い意味で老化現象の現れでしょうか。認めたくはありませんが、体は着実に10代、20代とは違ってきています。アンチエイジングという言葉が非常に身近になってきました。さて、目と歯に関して考えてみました。再生医学が進歩してきたようです。遠くない将来、古い目や歯を再生したり、交換したりする技術や治療が開発されないでしょうか。
目については、頭に電子版を埋め込み義眼などで失った視力を再現する研究が進められているようなことを聞いたことがあります。視覚に障害を持っている人には、福音といえることでしょう。研究段階でコストの面や副作用や危険性や機会の軽量化や小型最小化などのクリアーすべき課題が山積しているのではと考えてみました。
歯については、永久歯になったらもう歯が生え替わることがないと言われています。再生医学によって、何度も歯が生え替わるようにホルモン注射でもできないのでしょうか。でもこれが実現したら歯科医が不要になり、歯科医は死活問題となるので、研究がすすまないのかもしれません。
参考:「歯の再生」http://www.dent.niigata-u.ac.jp/anatomy1/shika-saisei/colum.html
「網膜チップ」
http://www.jcii-cameramuseum.jp/zaidan/H17/Expectation%20sent%20to%20artificial%20eye.pdf
「眼内に電極 カメラ画像を送信」
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1204458362/135-235

人魚姫で、声と引き換えに尻尾を人間の足に変える飲み薬を貰う話ではありませんが、視力を得ることによって、研ぎ澄まされていた別の能力が失われることはどうなのでしょうか。歯や視力に限りませんが、歳と共に逆に失うことによって、分かってくることや得ることもあるのかもしれません。

今夏は珍しく、虫に刺されて痒い思いをしています。今5カ所あります。掻いたらひどくなるのが分かっているので、我慢して塗り薬を一日に何度も塗ります。痛みはある程度我慢できます。不思議と「かゆみ」って我慢するのが難しいです。
さて、ここで富山の自慢です。県外への小旅行で子供が虫に刺されてしまい、大変かゆがりました。幸い見つけた道路沿いのドラッグストアに入り、「かゆみに一番すぐ効く塗り薬を」と薬剤師に尋ねたところ、なんと「ムヒ」を勧められました。「ムヒ」の工場は富山県中新川(なかにいかわ)郡上市町ところで、私の住んでいるところから車で30分程度のところです。県外で富山の品に巡り会うのは変な感覚です。例えが良くないかもしれませんが、海外のお土産を買ってきたら、日本製だったということでしょうか。痒みに悩まされた方、これからも富山の製品をご贔屓にお願いいたします。
痒いと感じることは、実は大切な感覚だそうです。このお陰で人間の優性な種が残ってきたとも考えられています。皆さん、蚊などに刺されて痒みを感じるタイプですよね。この痒みを感じることから、人間は伝染病などから身を守ることを人類の歴史から学習したようです。かゆみのメカニズムやかゆみが何日経過するとぶり返すメカニズムについては、参考サイトをご覧下さい。
参考:「蚊に刺されると痒い人類」http://www.tamagoya.ne.jp/potechi/2005/20050830.htm
「かゆみが起こるわけ」http://www.ikedamohando.co.jp/jyouhoukan/itch/itch.html
「かゆみがぶりかえす」http://www.ikedamohando.co.jp/jyouhoukan/itch/burikaesu.html

話があっちへ行き、こっちへ行き支離滅裂になってしまいました。結局私が考えつくようなことは、たわいもなく参考サイトで既に誰かが思いついてしまっていることが多いと分かりました。でも、夜空に大きく開く花火の大輪のように一瞬だけですが、自分の儚(はかな)い夢に浸ることはできました。花火のようにきれいに輝いたように思いましたが、すぐ消えてしまいました。しかし、いつまでも私の心の宝石箱にしまっておこうと思います(うっ?、エンタの神様ではないが、キモイ。歯が浮くようだ。)。

追伸:盲学校生の甲子園(?)、第23回全国盲学校野球(グラウンドソフトボール)大会浜松大会(8/20-22)での選手の健闘と活躍を祈っています。掛川東高校生の皆さんもボランティア協力よろしくお願いいたします。
参考:
◆第23回全国盲学校野球大会グランドソフトボール(大会要項等)
http://www.shizuoka-c.ed.jp/hamamatsu-sb/zenkokuyakyu/zenkokuyakyu.htm

◆中日新聞「全国盲学校野球大会に備え 掛川東高生が介護、誘導法学ぶ」(2008年8月5日)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20080805/CK2008080502000200.html

岩本 昌明(いわもと まさあき)

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭
視覚に病弱部門が併置された全国初の総合支援学校。北陸富山から四季折々にふれて、特別支援教育と英語教育を始め、身の回りに関わる雑感や思いを皆さんと共有できたらと願っています。

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