2026.03.10
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ボーズマン・モンテッソーリの行事「ショー・ミー」 子どもが自ら選ぶ姿

アメリカ・モンタナ州のボーズマンという町で、モンテッソーリ保育士として働くかたわら、大学院でも学びを深めています。
今回は、2月の行事について綴ります。

ボーズマン・モンテッソーリ保育士 城所 麻紀子

モンテッソーリ保育園に訪れた特別な2月の行事

私が働くボーズマン・モンテッソーリでは、普段はあまり行事があるわけではなく、わりと淡々と日常が流れていきます。
それが、今年の2月は、少し特別な一か月でした。バレンタインデーの行事、旧正月、ショー・ミー(Show Me)というイベントが2回、そして子どもたちの誕生日会が5回。特別な日が、次から次へとやってきました。

というわけで、準備に追われて、いつもより少し慌ただしい日が続きました。大人たちがバタバタしているせいで、子どもたちもそわそわしていて、教室全体がいつもより落ち着かない空気に包まれていました。

子どもが主体的に選び披露する「ショー・ミー」

ショー・ミーは、モンテッソーリらしさがよく表れている行事です。子どもたちが、2つのレッスンを保護者にやってみせます。
レッスンは、先生が「これを発表しましょう」と決めて練習させるのではありません。子ども自身が「これを保護者に見てほしい」と思うものを選び、準備します。
教室でいつも行っているレッスンが、そのまま家族に向けた小さなプレゼンテーションになるようなイメージです。基本的には、先生は手や口を出さず、子どもたちを見守る役割です。

本番に備えて、教室では少しずつ練習が行われていました。子どもたちは、それぞれのやり方でその日に向けて整えていきます。
ある子どもは、いつもと同じ教具を手に取っているのに、どこか表情が引き締まっていたり、「これ見せるんだよ」と教えてくれたりします。別の子どもは、いつもと変わらずマイペースに過ごしています。先生としては、子どもたちの個性や小さな変化を見つけるのが、ショー・ミー前のひそかな楽しみでもあります。

保護者のまなざしと、つながる教室

前回のショー・ミーでは、子どもたちが少し誇らしげな顔でレッスンを見せている姿を見て、ああ、いい時間だなと感じました。
子どもたちが教具を前にして、保護者に向かって一生懸命説明する姿には、教室で見ているときとは少し違う緊張感があります。

声が小さくなってしまう子、逆にいつもよりよく話す子、途中で順番を忘れてしまってやり直す子。保護者も、「こんなことまでできるようになったんだね」と驚いたり、目を細めて見守ったりしています。その視線の交わりのなかに、家庭と教室がつながる瞬間を感じます。

日本の行事との違いと、モンテッソーリの視点

想像ですが、日本の保育園では、発表会やお遊戯会のように、先生がプログラムを組み、子どもたちがそろって同じものを披露する行事が多いのではないでしょうか。これはこれで達成感のある行事なのでしょうが、アメリカの田舎の小さな園で出会ったショー・ミーは、少し違う方向を向いています。
一人ひとりが自分のペースで、自分の選んだ活動を見せる場です。みんな一緒ではなく、子どもたちそれぞれの個性が前面に出る時間です。

モンテッソーリ教育では、先生は主役ではなく、環境を整える案内役です。ショー・ミーを見ていると、その考え方が行事にもそのまま表れているように思います。
先生が子どもをステージの上に立たせるのではありません。子どもが自分で立つ場所とタイミングを選び、先生はその場が安全で心地よいものになるよう支える。イベントでありながら日常の延長のようでもあり、教室での学びが、少しだけ外の世界に開かれる窓のようでもあります。

にぎやかな2月のあとに

2月のイベント月間も、ひとまずこのショー・ミーで一段落です。しばらくは、特別な飾りもない、いつもの静かな教室が戻ってきます。
私自身も、イベントに追われておなかいっぱいと思いながらも、子どもたちの表情や保護者のまなざしを通して、学び直したことがたくさんありました。

にぎやかな2月のあとに訪れる、何もない日常。その中に、また次の小さな学びが隠れているのかもしれない、そんなことを思いながら、3月の教室を迎えようとしています。

城所 麻紀子(きどころ まきこ)

ボーズマン・モンテッソーリ保育士、元サンディエゴ日本人向け補習校講師、モンタナ州立大学院家族消費者科学科 修士課程


2020年からアメリカのモンタナ州の人口5万人の町で、モンテッソーリ保育園の保育士をしています。
アメリカといっても、白人約90%、アジア人約2%(最近増えました!)という環境です。
あまり日本人の方に知られていない、アメリカの田舎での教育や生活の様子などを共有できたらいいなあと思っています。

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