2019.09.13
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講義の中で印象に残った理論の1つ

講義で学んで以来学級だよりの考察に度々使用するようになった自己決定理論。その概要と私なりの活用法?について書いてみます。

佛教大学大学院博士後期課程1年 篠田 裕文

前向きに取り組むためのモチベーション理論

大学院の講義で自己決定理論についていろいろと教えていただいたのですが、自分なりにざっくりとこのようにまとめています。この自己決定論には3つの考えから構成されているようです。

①有能観
②関係性
③自律性(自己決定感)

です。それぞれ見ていきましょう。

①有能観

有能観があると内発的な意欲が高まるようです。有能観を高めるための3つの条件、

  • 適切なチャレンジ
  • 建設的なフィードバック
  • 不名誉でない評価

私としては、これらはすんなり頭に入ってきます。学級内における子どもたちの係り活動を例にしてみましょう。

  • 子どもたちが新しい係をつくって、活動計画をたて実行する→適切なチャレンジ
  • 仲間から感謝の言葉をもらう→建設的なフィードバック
  • 教師から「〇〇博士」との称号をもらう→建設的なフィードバック、評価が名誉

学校での実践が浮かんできます。

②関係性

物理的というよりも心理的な意味合いが強いようです。楽しく活動していても、他者からの反応がなければ「やる気」は減少していく、実感としてもあります。教師を冷たいと感じている子どもは内発的意欲が減少するという報告もあるようです。これも私としてはすんなり腑に落ちます。

ただ、物理的な距離が心理的な距離を表すとの研究も耳にしました。机が近くて授業中などで対話する時間が増えるといつの間にか仲が良くなっている。4人が互いの顔が見えるように座って話をすると、いつの間にか話し合いが盛り上がってくる。

これまでの私の学校現場では「かかわり」という言葉で呼ばれているものに近い(いや同じ?)と思っています。心理的な関係性は見ることができないので、物理的な距離感やちょっとした発言などから見とる必要がありそうです。

③自律性

選択があったり、自分で方向性を決めることができれば意欲は向上するようです。自律性を重んじる教師や親の前での子どもは内発的意欲の向上が見られます。 

すんなりすぎるくらい腹に落ちます。運動会や音楽会などの行事が頭に浮かびます。10年以上前、教員になったばかりのころは行事の多くを私が決めてしまい、子どもたちは私が決めたものをこなす、そのような「やらされた」行事でした。しかし、子ども達自身が自分の目標を決め、音楽会であれば歌詞や曲の雰囲気を解釈しどんな演奏をするか自分たちで決める、そもそも選曲段階で子どもたちが参加する、そのような「自己決定」できる場面が増えてきたここ数年。「やらされた」行事から「やる、やりたい行事」へと少しずつ子どもたちの様子が変わってきたように感じています。
意欲が高まれば高まるほどに学校への適応力が向上する。感覚的にもわかりますし、効果としても認められているようです。
また、このようなことも教えていただきました。

面白くない活動でも自律性と関係性をサポートして行うと、内在化や統合化が促進される。

学校生活で例を挙げてみると、子どもたちに強いる活動は意外と多いもの。例えば家庭科でのエプロンづくり(あっ 私がすごく苦手だったんです。細かい作業( ̄▽ ̄))

  • 困ったときにさりげなく仲間が声をかけてくれる
  • 困った時、先生が声をかけてくれる
  • 上手くいったとき周りが喜んでくれる

このようなフィードバックにより関係性を高めることができます。

  • 生地を選択できる
  • 場所を選択できる
  • 集中する時間を選択できる
  • 制作物を選択できる 

このような場面の設定により自律性を高めることができます。
活動そのものが子どもにとって魅力的でなくても、こちら側のアプローチによって、また子ども同士のかかわり方によって内発的意欲を高めることができそうです。

キーワードだけ最後にもう一度
①有能観
②関係性
③自律性
UKJと覚えておくといいでしょう(笑)。
最後までお読みくださりありがとうございました。

篠田 裕文(しのだ ひろふみ)

佛教大学大学院博士後期課程1年
修士課程を修了し博士課程に進学しました。修士時代に学んだこと、学校現場で実践したことを書き綴りたいと思います。

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