2014.11.10
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授業参観における親の授業「参加」のすすめ

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

先日、授業参観がありました。

金曜日と土曜日の二日間の公開でした。

二日間共、朝から帰りまでの公開でした。

 

今回は、私が授業参観で心掛けていることを書きたいと思います。

                            

授業参観で心掛けていることは次のような事です。

 

学校の楽しさを伝えること

教師の考えや意図を伝えること

親を引き込むこと など

 

授業参観であまり面白くない授業をしていると、保護者は廊下などでおしゃべりをし始めます。

廊下での保護者のおしゃべりがうるさく、教室での授業に支障をきたすということもあります。

おしゃべりをしてしまうような状況は、保護者にも問題があるかもしれないですが、保護者を授業に引き込めない担任にも責任があるとも言えます。

 

今回の授業参観で行った授業を少し紹介します。

 

外国語:ハロウィンについての単語の練習をした後、親も一緒のグループに入れてメモリーゲーム(神経衰弱)に取り組んだ。

道徳:目の見えない捨て犬を皆で協力して育てるという教材文で、障害についての理解を深めた後、親に自分の子どもが生まれる前後の心配や喜びについて語ってもらった。

算数:小数の導入で、小数の仕組みを紹介した後、親も交えて、身の周りにある小数を探した。

音楽:リコーダーの演奏を行い、上手な子どもをあげてもらった。

理科:日なたと日かげの単元で、遮光板を使って、太陽の様子を観察する実験を保護者と一緒に行った。

 

このようにほとんどの時間で親が授業に関わるようにプログラムしてあります。

短い文で書くと様子がなかなか伝わりにくいのですが、様々な工夫をしながら親が授業に関われるようにしていきます。

 

授業の中で親が子どもと関われるような状況を作ると様々な会話が生まれます。

グループのゲームなどにおいては、やりながら親は自分の子ども以外の子どもと話をすることがあります。

自分の子どもと同年代の子どもの様子を知る良い機会になります。

また、自分の子どもがグループの中で周りの友達とどの様に関わっているのかを身近な場所で見ることができます。

慣れてくれば、自分の子どもの隣の席の子どもに自分の子どもの普段の様子を聞いてみることもできるかもしれません。

自分の子どもから聞いているものとは少し違った話を聞くことができるかもしれません。

 

また、理科の実験などでは、自分の子どもがどのように仲間と協力して作業を行っているのかということを見ることができます。

自分の役割をきちんと果たすことができているのかなどが見るポイントです。

 

様々な形で子どものそばに親がいることができるとそれ以外の良さもあります。

それは、家で話題になっている子どもを観察することができるということです。

仲の良い友達などは、家にも遊びに来ているかもしれないので、顔を知っている可能性もあります。

逆に、仲の悪い子ども、意地悪をしてくる子どもなどは、親にとって、名前は知っていても、どういった子どもなのかについては、なかなか知ることができないものです。

そういった子どもを近くから観察することができます。

通常の授業の形では、どうしても子どもを後ろから眺めることになります。

研究授業などとは違い、座席表などは用意されていないはずなので、後ろから眺めていては、どの子どもが誰なのかは分からないことが多いです。

その点、何らかの形で親をグループなどの活動に参加する形にすると子どものすぐそばで見ることができるようになります。

親にとっては様々な意味で子ども理解が進むことになります。

 

様々な効果のある親の授業「参加」です。

ぜひ、授業参観では、親の授業「参加」を意識してやってみてください。

 

関連した内容を明治図書「授業力&学級統率力 2014年6月号」で書かせてもらっています。

興味のある方はご覧ください。

保護者を巻き込むネタ51 親の授業「参加」のすすめ 

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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