2008.03.26
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卒業「教育つれづれ日誌」…  私の“つれづれ日誌”をふりかえる

宮崎県えびの市立加久藤中学校 教諭 山下 豪一

 早いもので、「教育つれづれ日誌」に投稿するようになって、1年を過ぎようとしています。とうとう最後の日誌になってしまいました。

 振り返ると、この一年で貴重な体験をしたように思います。

その1 世の中には、いろいろな受け取り方をする人がいることに気づきました。

 2007年5月23日のつれづれ日誌「えっ!それでも君たちは登るのか… 加久藤中学校登山遠足」。私は、生徒のがんばりを強調する上で、「登山はきつい。」といった内容を書きました。もちろん、多少はきついと思いましたが、登山遠足では、生徒の安全を第一に考え、予備の非常食や予備の飲料水1.5リットルを担いで登山をしていました。多少の演出、つまり生徒のがんばりを強調するため、大人の私が“きつい”と嘆いた…と書いたのでした。
 ところが、私の原稿がアップされた翌日、教頭に呼ばれました。「君の書いた原稿を読んだ、保護者から、“加久藤中学校の教員は駄目教員だ。遠足を嫌がるなんで情けない。”と批判の電話があった。まあ、気にするな。しかし、世の中にはいろんな受け取り方をする人がいるので、気をつけてくれ。」と告げられました。

その2 執筆業に就く人々の、仕事のつらさの一端を垣間見ました。

 新聞記者、作家、ライター…。世の中には、文章を書くことで生計を立てている人々がいます。その方々の足元にも及びませんが、この教育つれづれ日誌に投稿させていただく機会を得たことで、執筆業に携わる方々の大変さを垣間見ることができました。
 一番つらいのが、原稿の締切。ネタがない、締め切りが迫る…。締切日の前は、教壇に立っていても、ふと頭をよぎったり…。昼休み、パソコンの前で腕組みをしたまま時間だけが過ぎたり…。私は、隔週1回の投稿でしたが、本業にしている方々の大変さが身にしみてわかりました。

その3 他人に関心を持つこと、また、関心を持っていることをその人に伝えることの大切さを学びました。

 私のつたない文章に興味を持っていただき、わざわざコメントを下さった方々がいます。2007年4月16日の“きたきつね”さん、2007年8月15日の“ロレナ”さん、2007年8月29日の“ねっと”さん、2007年12月19日の“ganpon”さん。4名の方が、私のつたない文章を読んで下さり、時間を割いて、コメントを投稿してくださいました。(“ねっと”さん、“ganpon”さんのコメントに対し、返事のコメントを投稿したのですが、やりかたがまずかったようで、ページにアップされなかったようです。申し訳ありませんでした。)
 自分の書いたものに、興味・関心を持っている人がいることを知ったときの喜び、次の原稿執筆への原動力になりました。ありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
 また、この出来事は、私に教育の原点を再認識させてくれました。生徒の宅習の片隅に毎日書かれる数行の短い日誌。忙しくて、コメントを書かなくなると、日誌の内容が乏しくなり、時間を割いてコメントを返すと、生徒もぎっしり書き始める。自分の体験と重ね合わせると、「あなたを見ているのですよ。」というメッセージを送ること、つまり、相手に関心を持っていることを伝えると、その人は生きる喜びを感じ前向きになれることを再認識しました。生徒に積極的にかかわりを持ち、“きめ細かな評価”を行う、これは教育の原点だと思います。

 あと2週間ほどで、新学期が始まります。
 自分の発する言葉、文章に細心の注意を払い、他人の立場を思いやり、生徒に積極的にかかわり、決め細やかな評価をする。
 この“教育つれづれ日誌”で得たものを生かし、新学期に臨みます。

 最後に、とうとう最後の最後まで、原稿締切を守れなかった私に根気よく付き合っていただきました、編集担当のHさま、内田洋行のスタッフの皆様方、本当にご迷惑をおかけしました。

 「げんねこっじゃ。まこて、すんもはんじゃひた。(おはずかしいことです。ほんとうに、申し訳ございませんでした。)」

山下 豪一(やました ひでかず)

宮崎県えびの市立加久藤中学校 教諭
山下豪一(ひでかず)と申します。鹿児島,熊本両県に接する宮崎県西部のえびの市で、社会科を担当しております。校務のIT化に興味を持つ教員です。

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