2008.03.10
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教師の苦悩 子どもたちとの感覚のズレ

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

 現職教師の立場ではあまり具体的なことは書けないが、小学校でのいわゆる授業が成立しない学級崩壊は、その程度の差はあるが、各種機関が発表している数字以上どこででも起こりうる。いや、もうすでに、全国の教室で当たり前のように起こっているという現実があることはこのコラムを読んでくださる方はすでに知っているだろう。

 マスコミ等ではよくその原因として、家庭のしつけに問題がある、先生・学校に問題がある、子ども文化の変容・情報化社会に関係があるなどとかなり前から言われている。一つ一つの学級崩壊のケースにもよるだろうが、確かにこれらの原因には誰もがうなずけるのではないだろうか。
 
 ただ、多くの場合、学級崩壊はこういった複合的な様々な原因が絡んで起きているということである。一つだけに原因があるわけではない。しかし子どもの問題となると、すぐに親が悪い、学校が悪いと親や学校に責任をなすりつける傾向がある。一つのことに責任をおしつけ、それで問題を片付けてしまうのはステレオタイプであり危険であると言えよう。
学校という狭い社会が実は奥行きが広く、「社会そのものの縮図」であるということにほかならない。この問題には家庭や地域を取り巻く様々な矛盾が垣間見えてくるのだ。
 
 しかし、最近私は「先生がまじめで一生懸命やっているのはわかるけれど、いかにもズレている」「学校はリアルじゃないところ」と言う子どもたちが確実に増えてきている気がする。ここ数年、特にこどもの感覚と学校・教師の感覚のズレは大きくなったと感じることが多くなった。

 たとえば「みんな、仲良く」を目標に掲げる先生達が、子どもにとっては建前ばっかりとうつるようだ。もちろん私が感じる子どもと教師の感覚のズレについては、教師の高齢化(自分の年齢)も関係しているのかもしれないが、教師側が子どもとの間にズレがあることを認識し、少しでも子どもの感じていることに耳をかたむければ、それはそれで現状を変えるきっかけになる方策となると思うのだが如何であろう。

北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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