2007.12.30
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“情報化社会”に向き合う力

株式会社内田洋行 教育総合研究所 梅香家 絢子

今年も年賀状の時期がやってきましたね。
もう出しましたか?私はこれから作り始めです。


年賀状と言えば、小学生のとき父に教えてもらった版画を思い出します。左右逆さにイラストを彫り、数種類の色を何度も何度も刷り直す。今思うとかなりの作業、でも心のこもったご挨拶。
ただそれは高校まででした。理由はおわかりですよね?
そう、パソコンです。

インターネットでイラストをダウンロードできる。
デジカメで撮ったものもそのまま使える。
そしてパソコンでちょちょいっと編集を加えつつ、
プリンタで印刷するだけ。
あっと言う間。そして作品的にも結構良いものができてしまう。。


こんな環境が周りに当たり前のようにある今の小・中学生は一体どんな年賀状を作っているんでしょうか?


* * *

今、“情報”を「得る」という意味でも「出す」という意味でも本当に便利な世の中だなぁと毎日の何気ない場面で実感します。
年賀状もその一例。まさに“情報化社会”です。

一方で、その便利さや面白さを実感しつつも、今の子どもたちを思うとふと不安になることもあります。

1つは、インターネットの世界が持つ“負の部分”に知らず知らずのうちに巻き込まれてしまう危険性。
有害サイト、迷惑メール、著作権違法…。情報を簡単に「得」たり「出」したりできるからこそ起きる問題で、そのルールやマナーを知っておくことが今とても大事になってきています。

そしてもう1つは、アナログの良さを知る機会が減っていること。
いくら学校でそれを教えていても、家で、街中で、子どもが触れる日常でパソコンやインターネットが溢れていたらやっぱりアナログの良さを知る出来事に出会うこと自体少ないだろうし、それに対して実感を持てないと思うのです。


* * *

そこで思ったのが、今、子どもたちに特に身につけてほしい力
=「“情報化社会”に向き合う力」
でした。

“情報化社会”と表現してしまうと少し堅苦しいですが、、、
パソコンやインターネットが溢れている毎日の中で、それだけに埋もれることなく、他にも色々な方法があることを知り、学びながら、それら全ての可能性を組み合わせ、選択して使える力。
そんな力を身につけられたら、これから先の色々なインプットもアウトプットもより楽しくなるのでは?と思うんです。


年賀状の話に戻るならば…
アナログもデジタルもその両方をあれこれと創意工夫しながら、最後にはもらった人に喜んでもらえる贈り物であったらなぁ、と。


この力はきっと子どもだけに限らず大人にも言えることですね。
頑張りましょう。

梅香家 絢子(うめがえ あやこ)

株式会社内田洋行 教育総合研究所
「開かれた学校づくり」の言葉に惹かれてこの道に。今は仕事を通して、全国の教育現場で実践されている様々な取り組みに驚き、学ぶと同時に、“企業の立場からできること”も学びながら活動する日々です。

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