2007.12.03
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朝の健康観察に一考を

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

唐突な話で恐縮ですが、学級担任をお持ちの先生、受け持ちの子どもたちの朝の健康観察はどのように行っていますか?

 多いパターンとしては朝の会で出欠を確認しながら、健康観察簿を読み上げ子どもたちの様子を観察するというケースが多いと思いますが、この場合どうしてもルーティーンワークになりやすく、小学校も高学年になるときちんと健康の状態を答えないような場合も出てくることが多くなる。

 そこでここで紹介したいのは子どもたちの心の動きを、短時間にできるだけ簡単にとらえることができるマインド・ウェザー(心の天気)という試みである。(愛媛県総合教育センター 教育研究紀要第69集「適応指導教室における児童生徒の自立を図る援助の在り方」より)

 これは、毎朝登校してきた子どもの心の動きを、晴れ(よい)、曇り(ふつう)、 雨(もう少し)の三段階で自己評価する試みである。自己評価のみならず、ここで見たこどもの心や体の状態を基に子どもとコミュニケーションを図ることで、教師による子どもの内面理解、子ども相互の他者理解に生かすことができるというものである。

 マインド・ウェザーは、短時間に行うことができ、学校現場で継続が容易である。このような取組を通して、朝のスタートの段階から子どもの内面を理解し、個に応じた対応に心掛けることは、不登校のみならずいじめなどの早期発見にも効果があると思われる。

  実際にわずか1週間ではあったが、高学年(6年)と低学年(2年)で試しに行ってみると、新しい試みに対し子どもが興味を持ってくれたせいもあり、子どもの心の動きを客観的にとらえることができたような気がする。きちんと記録に残すこともでき、今後子どもの指導において有効に活用できると考える場面がいくつもあった。

 いつもの健康観察に行き詰まりを感じている方、試してみる価値はありそうですよ。

※写真は特活行事の「六小まつり」からの一こまです。
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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