2007.10.22
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山下先生へのオマージュ 自転車で行こう

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

 このコーナーの山下先生の記事に啓発されたわけではないが、実は私もこの9月から職場である学校まで自転車通勤を始めた。

 大量生産と大量消費は、我々の豊かさを作ってくれたけど、もはや地球がそれに耐えられないところまで来ている。でも、今まで真に有効な手段が分からない…。

 大げさな言い方をしたけれど、何てことはない、実は山下先生と同様、8月に受診した人間ドッグの結果、メタボリックな症状が体の随所にきていると担当医師より注意を受けた。何か手始めに軽く運動できるものはないだろうかと不純に考えて2学期から片道5キロの道のりを自転車で通勤を開始したのである。

 これが、私には見事にはまったのである。
 渋滞の中の一台になるより速いし、何より健康にもいい感じがする。坂道で多少はきつかったりすることもあるけど、それもまた楽しいのである。

 別にクルマなんて必要ない、とも主張する気はないし。これから益々高齢化も進むことだし、そういうところではクルマはすごく便利なのは分かるし。今さら現代人からは車を取り上げられないしそれは仕方ないことだとも思う。

 だけど、自転車に乗り始めて1ヶ月。無理をせず必要ないときはクルマには乗らないようにしようと考えが変わった。今までならすぐクルマで行っていた場所でも、「その程度の距離なら自転車で行こうっと」と積極的に思うようになった。

 うろ覚えで恐縮だが作家村上春樹のあるエッセイの中に「小確幸」という言葉が出てくる。「冷房なんてなくったって、冷たい麦茶があった。冷たい麦茶がおいしかった頃の、貧乏な自分は幸せだった」というような一節があったけど、自転車通勤をしている私の感覚はソレに近い。

 冷蔵庫で冷やされた麦茶ってのは昭和に子ども時代を過ごした私にとって過不足ないちょうど良いくらいの小さな幸せだと実感する。

 私にとってそのささやかな幸せが「自転車通勤」なのだ。
さすが職場まで、歩いて毎日通うのは辛いけれど、自転車だったら、今のところ何ともない。意外な効用としては、毎日走る道すがら、環境や社会や道路問題を考える何らかのきっかけになっている。

 山下先生、共に自転車通勤を楽しみましょう。 
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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